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受験生は大学案内の”どこ”を見ているのか ─ 比較を左右する4つの軸

2026.08.19

#大学入試 #大学広報 #学部選び #パンフレット制作

受験生は、大学案内を「並べて」読んでいる

大学案内は一冊ずつ丁寧に通読されている──と考えると、誌面づくりを見誤ります。

進路選びの現場で高校生の読み方を観察すると、実態はむしろ逆です。
彼らは複数の大学のパンフレットを机に広げ、同じ項目を大学ごとに突き合わせながら比較読みをしています。
「この大学の研究はどうか」「こっちの授業はどうか」と、大学を横断して同じ土俵で見ていくのです。

つまり大学案内は、単体の作品としてだけでなく、“比較のなかの一冊”として設計する必要があります。
では、受験生は具体的にどこを比較しているのか。

ヒアリングを重ねるなかで浮かび上がってきたのが、「研究・授業・施設・進路」という4つの軸です。

資格や偏差値が横並びになったとき、受験生はこの4つで大学を選り分けています。
しかも、それぞれ「読まれ方」がまったく違う。軸ごとに整理してみます。

軸① 研究 ─ 興味の”外”は、そもそも読まれない

理系志向の受験生ほど、「どんな研究をしている先生がいるのか」への関心が高い傾向があります。
研究テーマや先生の専門分野は、大学ごとに明確に差が出るため、比較の軸として非常に有効です。
ただし、注意すべき特性があります。

受験生は、自分の興味の外にある研究情報はほとんど読まないということです。

「研究は、自分の興味のある分野しか見ない」
「オススメの研究や、面白そうな先生の情報があると、調べたくなる」

これはつまり、研究情報は”量”を並べても効かない、ということです。
すべての研究室を網羅的に載せるより、“刺さる一本”との出会いをどうデザインするかが勝負になります。
見出しをわかりやすくし、目を引くビジュアルを添え、「この研究の先にどんな未来があるのか」までワクワクを持って語る。
読み飛ばされない工夫があって初めて、研究力は伝わります。

なお研究力は、受験生本人だけでなく保護者や高校教員への訴求力も高い要素です。
「ここは面白い研究をしている大学だ」という印象は、進路を後押しする周囲の大人にも効きます。

軸② 授業 ─「どんな勉強をするのか」が知りたい

受験生が繰り返し口にするのが、「大学で、どんな勉強をするのかを知りたい」という素朴な欲求です。
カリキュラム表を見るのも、時間割を気にするのも、根っこにあるのはこの関心です。
ここで効くのが、学科ページの整理と導線です。ヒアリングでは、こんな声が印象的でした。

「情報が多くても、どこを見ればいいかわからないと読む気が失せる」

学びの概要が”第一見開き”で完結する構成だと、受験生は迷わず理解できます。
逆に導線が弱いと、どれだけ情報を載せても伝わりません。

「学びの流れ → カリキュラム → 授業紹介」と、段階的に情報を深めていく設計が、理解を助けます。

また、具体的な授業をピックアップして紹介する見せ方は、受験生からの評価が高い手法です。
「大学では、こんな授業が受けられるのか」という具体像が、進学後の自分をイメージさせるからです。
抽象的な”学びの魅力”より、一コマの授業の中身のほうが、受験生の心には届きます。

軸③ 進路 ─ 資格より「将来像」が見えることが大切

意外に思われるかもしれませんが、卒業後の進路情報は、受験生にかなりよく読まれています。
ここでのポイントは、受験生が見たいのは「資格」そのものではなく、その先の「将来像」だということです。

前提として資格取得のゴールは大学ごとに差がつきにくい。
だからこそ、「この大学で学ぶと、どんな進路に進めるのか」「先輩たちは、どう活躍しているのか」という具体像が、選択の安心材料になります。

有効なのは、学部・学科ごとに進路を整理して見せることです。
全体をひとまとめにするのではなく、「この学科なら、こういう道がある」と分けて示すことで、受験生は自分の未来を解像度高く思い描けます。
さらに、卒業生インタビューという”具体的な一人の姿”を添えると、将来像はぐっとリアルになります。
進路整理は、そのまま「この大学を選んで大丈夫」という安心感につながるのです。

軸④ 施設 ─「自分が学ぶ場所」の解像度を上げる

施設・キャンパスの写真は、多くの受験生が自然と目を留める要素です。ヒアリングでも、施設写真の評価は総じて高いものでした。

「施設の写真があると、自分がどんなところで学ぶのかイメージできる」

実験設備、附属病院、校舎といった施設の写真は、「大学生活」や「自分が学ぶ場所」を想像させる装置として機能します。
単なる建物の記録ではなく、「ここで学ぶ自分」を思い描けるかどうかが重要です。

だからこそ、施設写真は網羅性より、“憧れ”や”具体的な学びのシーン”が伝わる一枚を選びたい。
受験生が誌面のなかに自分を投影できる写真こそが、志望度を押し上げます。

4つの軸を貫く、たった一つの問い

研究・授業・施設・進路。読まれ方はそれぞれ違いますが、4つの軸に共通しているのは、受験生が最終的に確かめたい問いが同じだということです。

それは──「この大学で、自分は何ができるのか」。

資格が取れることは、もはや大前提。受験生はその先の「できること・学べること」を、4つの軸で比較しています。
大学案内をつくるとき、それぞれの軸が「受験生のどんな問いに答えているのか」を意識するだけで、誌面の伝わり方は大きく変わります。

情報を「置く」だけでは足りません。受験生の比較の視線に寄り添って、どう「置くか」まで設計する。
そこに、選ばれる大学案内のつくり方があります。

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【画像は生成AI作成のものを含みます】

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