Work アローのお仕事紹介

文化を知り、スピリッツに触れ、ファンになる。大学広報に携わる基本姿勢を改めて実感する機会に。

2026.10.07

#大学広報 #大学 #制作実績 #パンフレット制作

アローコーポレーションは現在、東京本社・関西支社の2拠点体制で、全国の数多くの大学の広報活動のお手伝いをしています。
本記事では関西支社で手掛ける広報物の中から、関西屈指の大規模総合大学である関西大学様の大学案内について、企画・制作・進行管理等を担うチーフディレクターの野口に制作の背景を聞いてみました。

【プロジェクト概要】

クライアント: 関西大学
制作物: 大学案内2027
担当領域: 企画・取材日程調整・ディレクション・制作・進行管理等
制作期間: 約9ヶ月
取材規模: 14学部の学生・教員・ゼミ/研究室に加え、巻頭企画での学生・卒業生・教員を含めたのべ108件

一貫して伝えたかった「考動力」という言葉

学生数は31,000人超、専任・兼任教員数2,700人超、卒業生数は累計約53万人(いずれも2026年度)という規模を誇る関西大学には、さまざまな個性と魅力を持った学生と教員が集まります。だからこそ、大学の「スピリッツ」を表現する旗印ともなる大学案内のコンセプトフレーズは、検討に検討を重ねた上で考案しました。

「本案件はコンペティションを経て受注に至ったのですが、準備段階ではコンセプトフレーズの検討に一番多くの時間を費やしました。いろいろな文献を読み解く中で出会ったのが、関大さんが人材育成の指針として掲げる『考動力』(自ら考えて動く力)という言葉です。実際に、関西圏に住む多くの人が抱くであろう関大さんの学生や卒業生の人物像や、関西大学そのもののイメージとも合致すると感じましたし、卒業生や教員が、その力でもって社会のいろいろな場面で実際に活躍し、世の中を元気にし、未来を元気にしています。そんな関大さんのスピリッツを『考動力』という言葉の力を借りて表現したいと考えました。コンセプトフレーズを軸にした設計で全ての企画を構成することで、関大さんらしさを伝えられる誌面にできたと考えています」

「考動」と「鼓動」をコンセプトフレーズに落とし込み、表紙と巻頭企画、そして学部企画へと一貫して展開した

Z世代からα世代へ。変化するターゲットを見据えたクロスメディア戦略

千葉工業大学の制作実績でも触れている通り、「学生の声を今どきの高校生にどう届けるのか」は今日の大学広報の大きな課題の一つです。関西大学の大学案内では、多くの「人の声」を載せることで、マンモス校のスケール感とそこに息づく多彩な個性を表現したいと考えました。

「Z世代・α世代のマーケティングでよく言われる『自分ごと化』を高校生に深めてもらうために、大学案内と連動したWEBページを設定し、学生、教員、ゼミ/研究室とのべ108本の取材記事を掲載しました。『考動力』を身につけるために大学と学部がどのような教育環境を提供し、どのような研究に取り組めるのか、そして実際に学生は大学で得られた学びや経験を通してどう成長しているのか……それらの記事を読むことで、関西大学で学ぶ日々の『自分ごと化』につなげてほしいと考えたからです」

スマホファーストのWEBページを設定し、豊富なインタビューを通して「自分ごと化」の推進を狙った

2027年度入試からはついに受験生の世代が「α世代」にシフトします。動画ネイティブ・タイパ重視のこの世代に向け、テキストをどう読んでもらい、どう興味喚起につなげるか。そこで本案件では、直感的に魅力を伝えるエディトリアルデザインを意識した冊子と、デジタルガイドブック形式のWEBページを同時展開することで、取材記事をより読み応えのある内容にすることを目指しています。

「取材記事を冊子とWEBとで同時展開することは、提案時から視野に入れていました。冊子のコンパクトにまとめた記事を入り口に、WEBページでは写真や図版も盛り込みながら内容をより深掘りする、という構造です。とはいえ、その原稿整理と内容確認には想像以上に多くの時間が必要となり、進行にも支障をきたしたことは2年目以降の反省材料です。大学の規模感や制作物の内容・目的に併せて、準備段階から臨機応変に体制を構築することの大切さを、改めて知る機会になりました」

大学案内冊子本体とWEB記事との取材時からの「書き分け」と原稿整理、そして内容確認には多くの時間を費やすことに

現場のディレクションを通して見えてきた広報担当者の「苦労」

本案件では実制作に加え、取材対象者に対しての取材・撮影日程の調整と原稿確認の依頼も業務内容に含まれています。その業務を通して、大学案内制作担当者の「苦労」を知ることもできました。

「1日で2つのキャンパスの取材・撮影を同時並行で行うケースもあったため、関西支社のメンバー全員が取材・撮影の立ち会いに関われるような体制を組みました。また、取材対象者への連絡を行う外部協力会社とのやりとり、ライター・カメラマンの日程調整と手配、そして取材対象者への依頼など、制作スタッフを動かすという点においても、大規模総合大学ならではの物量に圧倒されました。特に、学部などさまざまな部署から共有された学生や卒業生、教員のスケジュールを確認・調整し、100件以上にメールないし電話にて連絡する──アローコーポレーションが手掛ける大学案内では、その作業を各大学の担当者様が進められているケースが多いため、その現場の『苦労』を改めて知ることができました」

14学部22学科5キャンパス。取材撮影の調整から立ち会いまで、関西支社のスタッフだけでなく協力会社の力も借りて「チーム関西大学」で一丸となり進めた

「らしさ」を形にする熱量と、確かなデータが示す手応え

膨大な調整業務を乗り越えて迎えた取材・撮影本番。ディレクター自身が現場の最前線に立ち続けることで見えてきたのは、事前の想定以上に学内に深く浸透していた「考動力」という理念と、関大のスピリッツでした。

「2キャンパス同時並行の場合を除き、ほとんどの取材・撮影に立ち会うようにしました。原稿内容の書き分けをどう行うかなど、見切り発車的に進めてしまったところがあったため、先に述べた通り原稿整理と内容確認について膨大な時間を要することになってしまったのですが……学生さんも先生方も『考動力』という言葉に大変シンパシーを感じておられる方が多く、『これが関大らしさか!』と私自身も、制作チームのメンバーが体感できたことからも、多くの人を出すという方針を打ち出せたのはよかったと思っています。

多くの時間をキャンパスで過ごし、多くの人を取材する中で、文化を知り、『ファン』になる。大学案内制作に携わる者として、とても幸せな体験ができたと感じています。また、WEBページについてはありがたいことに、各取材記事を読む方の離脱率が10%を切るという数値が出ています。平均滞在時間も併せて考えると、記事にたどり着いた人の約9割が記事を最後まで読んでくれたといえ、関大さんを志望する方の意識の高さが伺えます。我々の手がけた制作物が『自分ごと化』の一助となり、進路決定の一つの理由となってくれたらうれしい限りです」

ロケハンに取材撮影と多くの時間をキャンパスで過ごす中、大きな楽しみの「食事」についても豊富な学食の存在に癒されました(野口)

大学の「らしさ」を共に掘り下げ、共に汗をかくパートナーとして

関西大学様のプロジェクトは、大学が持つ圧倒的なスケールと熱量をいかに形にするかという、アローコーポレーションにとっても非常にやりがいのある挑戦でした。理念である「考動力」を紐解き、108件ものリアルな声を拾い集める過程で、私たち自身が大学のファンになり、その魅力を誰よりも深く理解することができたと感じています。

大学広報の現場では、ターゲット世代が求めるクロスメディア戦略の構築から、多岐にわたる業務と膨大な調整作業まで、担当者様に大きな負担がかかっています。アローコーポレーションは、単に制作物を納品するだけでなく、コンセプトの立案から煩雑なスケジュール調整、そして最終的なアウトプットまで、広報担当者様の「右腕」として伴走します。これからも、各大学が持つ独自の「スピリッツ」を深く理解し、未来の学生たちへ確実に届けるための広報活動を全力でサポートしてまいります。

アローコーポレーションでは、今回の実績と独自のノウハウをもとに、貴学にしかない魅力を最大限に引き出す大学案内を支援いたします。
『自学の大学案内・パンフレットを一新したい』『まずは詳しい話を聞いてみたい』とお考えの広報担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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