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【事例紹介】公益社団法人 日本獣医師会様 |「産業動物獣医師魅力発信プロジェクト」 Webサイト・冊子制作
2026.05.07
アローコーポレーションでは、教育業界での豊富な知見を活かし、大学だけでなく様々な機関の教育・啓発活動をサポートしています。今回は、公益社団法人 日本獣医師会様からご依頼いただいた「産業動物獣医師魅力発信プロジェクト」における、Webサイト、紹介冊子の制作事例をご紹介します。
依頼の背景
本プロジェクトは、地方競馬全国協会[NAR]からの補助金による事業であり、日本獣医師会様が事業実施主体となっているものです。獣医師業界においては、牛や馬、豚、鶏などの診療や、家畜衛生を担う公務員獣医師の分野といった、「産業動物獣医師」への就業者数が伸び悩んでいるという深刻な課題がありました。
こうした状況を受け、アローコーポレーションを「教育分野に強い制作会社」としてお問い合わせをいただいたことが、プロジェクト参画のきっかけでした。
制作の狙いや目的
最大の目的は、産業動物獣医師の認知拡大と、その社会的責任や魅力の発信です。
ターゲットは、獣医師や食の安全に興味のある高校生、獣医学部に通う大学生、さらには保護者や教員としています。
多くの方は「獣医師=犬猫のお医者さん」というイメージを持っています。そのため、まずは高校生に「産業動物獣医師という選択肢」を知ってもらうこと、そして、すでに獣医学部に通い始めた大学生に対しても、キャリアの方向転換の可能性や新たな進路の選択肢を提示することを目指しました。
本プロジェクトでは、ターゲットに広く情報を届けるため、大きく4つの施策を展開しました。
職業紹介冊子
A4判カラー40ページの冊子を作成し、全国約4,800校の高校へ配布したほか、獣医学部のある全国17大学、地方獣医師会(全国55)、各都道府県庁などにも配布しました。
職業紹介Webサイト
冊子の内容をベースにしたWebサイトを構築しました。Web限定のコンテンツとして、全17大学から産業動物分野に関する紹介動画もそれぞれ作成し、掲載しています。
Web広報企画(Web広告)
ターゲット層へのリーチをさらに広げるため、位置情報広告(ジオ広告)を活用したバナー広告の配信を行っています。
進学説明会への参画
高校生向けの合同進学相談会(全国複数会場)にブースを出展し、直接的な情報提供を行っています。
制作する際のポイント・実践的ノウハウ
単なる情報発信にとどまらず、いかにターゲットに届け、クライアントの複雑な要望を形にするか。本プロジェクトで得られた実践的なノウハウをご紹介します。
ターゲットの興味を惹く「リアルな漫画」の活用
「産業動物獣医師」という耳慣れない職業に対し、テキスト中心の解説だけで高校生や大学生の興味を惹きつけることは困難です。
そこで、初期接点(フック)として漫画やイラストを多用しました。ここでこだわったのがイラストです。単に有名なイラストレーターを起用するのではなく、実際に九州の畜産現場で働きながらイラストを描いている『牛川 いぬお』さんに依頼を行いました。
牛川さんは、旅行先で見た闘牛をきっかけに「牛と共に暮らしたい」と直感し、九州で畜産業(牛)に従事しながら、自身の体験に基づいた畜産漫画を描いていらっしゃいます。
現場のリアルを知る方だからこそ、牛が生まれる際の体勢や道具の定位置など、専門的で説得力のある描写が可能になります。結果的に、リアルな内容が読み手の興味を惹き、さらには専門家からの修正指示が減ることで、制作進行が非常にスムーズになるというマネジメント上の大きなメリットも生まれました。
媒体特性に合わせた「左開き・横書き漫画」という逆転の発想
大学案内などのパンフレットは「左開き・横書き」が基本ですが、一般的な漫画は「右開き・縦書き」です。
従来、こうした冊子に漫画を載せる場合は、巻末から右開きで読ませる(ダブルフェイス)手法が取られがちですが、今回はあえて冊子の仕様に合わせ、「左から右へ読み進める横書きの漫画」という構成に挑戦しました。制作陣でも「本当に読めるのか」と議論になりましたが、完成してみると非常に違和感なく読める仕上がりとなりました。
さらに、Webサイトも横書き・左上から読み進める構造のため、この横書き漫画はWebへの展開時にも極めて親和性が高いことが判明しました。スマホの縦読みやWebの横書きに慣れた若年層への、新たな漫画表現のノウハウとして大きな収穫となりました。
一次情報へのこだわりと、メディア(冊子・Web)ごとのコンテンツ最適化
獣医師免許を取得できる獣医学教育課程を持つ大学は、全国に17校しかありません。
本プロジェクトでは、この全17大学に制作担当者が直接足を運び(一部オンライン)、リアルな声を取材して記事化しました。
提供素材に頼るのではなく、自ら一次情報を取りに行くことで、各大学の魅力を均質かつ高い熱量で伝えることができます。また、冊子とWebを全く同じ内容にするのではなく、媒体特性に合わせた最適化を行いました。現場の空気感や動物の様子をより直感的に伝えるため、Webサイト限定のコンテンツとして、17大学それぞれのプロモーション動画を独自で制作し、掲載しました。
複数組織の意見を集約する「コンサル×制作」のチーム体制
本件は、日本獣医師会様や農林水産省様、農業共済協会、獣医学系大学、関係する公的機関、各種委員会など、複数のステークホルダーが関わるプロジェクトでした。
そのため、細かい部分で意見の調整が常に必要となる環境でした。こうした複雑な合意形成が求められる案件では、初期の企画・設計段階からアロー教育総合研究所がコンサルティングとして深く入り込み、目的や大枠の方向性を関係者間ですり合わせました 。
その上で実制作チーム(ディレクター)が的確に引き継ぎ、例えば「注射器の持ち方が違う」といった専門的なイラストの修正要望などにも丁寧に対応していくという、役割を分担したチーム体制を構築したことが、プロジェクトを成功に導く鍵となりました。
今後のアクション
今回制作したWebサイトを単なる公開で終わらせるのではなく、さらに広く認知していただくための継続的な告知施策や、より牧場や現場の様子が伝わりやすい動画コンテンツの拡充など、さらなる展開をご提案し、話し合いを進めています。
今回制作Webサイトは以下よりご覧いただけます。
アローコーポレーションとしての今後の考え
これまで大学様をメインクライアントとしてきた弊社にとって、日本獣医師会様のような専門領域を持つ組織とのお仕事は、非常に新鮮で学びの多い貴重な経験となりました。
今後は、この経験で得た知見を、メインクライアントである大学様へのサービス提供にフィードバックしていく考えです。また、アローコーポレーションの「教育に強い」という強みを最大限に活かし、大学に限らず、教育にまつわる多様な企業・団体様とのお仕事を積極的に増やしていきたいと考えております。
【画像は生成AI作成のものを含みます】
