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金沢工業大学 大学院

工学研究科 バイオ・化学専攻
博士前期課程 1年

K.Jさん

長野県 佐久長聖高等学校出身

ナノファイバー化技術で
肌になじみやすい化粧品を開発

私たちの身の回りには
「化学」があふれている

 みなさんは、サプリメントのCMで、ユーグレナ(ミドリムシ)の名前を耳にしたことはありませんか。5億年以上前に誕生した原生動物・ユーグレナは、植物と動物の両方の性質を持つ微細藻類で、多様な機能性成分を持つ生物として脚光を浴びています。

 私の研究テーマは、このユーグレナだけが生産するパラミロンを化粧品に添加することによって、どのような効果があるのかを確かめることです。

 パラミロンには、免疫力を活発化させる作用や、保湿効果などが確認されています。しかし、パラミロンは水に溶けにくく、化粧品に混ぜにくいという課題がありました。そこで私は、高圧の水流を噴射するウォータージェット法を用いて、粒子をナノファイバー(ナノサイズの極細繊維状物質)化して、水に溶けやすい形状にすることで、この課題を解決しました。

 私が化学に興味を持ったのは、小学生から始めたバスケットボールが影響しています。将来はバスケットボールのシューズやウェアなどを開発する仕事に就きたいという夢が芽生え、そうした用品の素材の特性を理解するために、大学で化学を学ぼうと決めたのです。化学を遠い存在と感じている人もいるかもしれませんが、スポーツ用品や化粧品など、実は、化学は私たちの身の回りにあふれています。自分にとって身近な分野であると実感できれば、きっと化学が好きになるはずです!

My Research Activity私の研究活動

これまでパラミロンのナノファイバー化の研究では、ウォータージェット法で粒子のすべてを繊維状にしていました。私は、粒子の一部だけが繊維状になるように、高圧水流の強さや衝突回数をいろいろと試しました。そうして完成したのが、写真のクラゲのように見えるナノファイバーです。粒子に線が生えているので、肌になじみやすく、化粧くずれも防げる効果が期待できます。今後、塗り心地を心理学や感性工学の手法を用いて検証する予定です。

左はパラミロンのもともとの形状、右はパラミロンをナノファイバー化したもの。ちょっとクラゲのように見えますね

金沢工業大学

2022年度より「データサイエンス教育」がスタート

2022年度入学生よりデータサイエンスの3科目が全学科で必修科目となります。データサイエンスとは、社会の様々なデータを数学・コンピュータサイエンスの手法を用いて解析し、それぞれの分野で役立てる学問のこと。AIを学ぶ必修科目「AI 基礎」とあわせて、所属の専門学科の知識に加えて、データサイエンス・AIのスキルを身につけることができます。

企業に長期間勤務しながら学ぶ「KITコーオプ教育プログラム」

企業が取り組む現実の課題に挑む「KITコーオプ教育プログラム」を2020年度から行っています。学生は4カ月~1年間の長期にわたって提携先の企業で働きながら、実社会での課題解決に挑みます。データサイエンスをテーマとするNTT 西日本、サイバーセキュリティをテーマとするNECグループとのプログラムなどがあります。

学部学科

■ 工学部:機械工学科/航空システム工学科/ロボティクス学科/電気電子工学科(電気工学コース、電子工学コース)/情報工学科/環境土木工学科 ■ 情報フロンティア学部:メディア情報学科/経営情報学科/心理科学科 ■ 建築学部:建築学科(建築デザインコース、建築エンジニアリングコース) ■ バイオ・化学部:応用化学科/応用バイオ学科

主な就職実績

IHI、NTTドコモ、大林組、花王、鹿島建設、川崎重工業、関西電力、京セラ、熊谷組、小松製作所、西日本旅客鉄道、東日本旅客鉄道、清水建設、スズキ、SUBARU、積水ハウス、ソフトバンク、ソニー、大成建設、大和ハウス工業、竹中工務店、東京電力、東芝、凸版印刷、トヨタ自動車、日本電産、日野自動車、北陸銀行、本田技研工業、三菱自動車工業、三菱重工業、三菱電機、ヤマハ、LIXIL、YKK ほか

お問い合わせ先

〒921-8501 石川県野々市市扇が丘7-1
入試センター TEL:076-248-0365