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Team

面白法人カヤック
 

技術部 ゲーム開発チーム

「どれだけバズるか」、つまり、ソーシャルメディア上でどれだけ拡散されるかをミッションとして、最新のテクノロジーを駆使したユニークなコンテンツを世に送り出し続けるクリエイター集団・面白法人カヤック。現在、280名を超えるスタッフが働く同社では、どのようなものづくりが進められているのだろうか?技術部で主にゲーム開発に携わる川添昌俊さん、谷脇真琴さんに話を聞いた。

技術部・人事部

川添 昌俊さん

室蘭工業大学 大学院
工学研究科
博士前期課程修了

技術部・人事部

谷脇 真琴さん

広島工業大学 工学部
電気・ディジタルシステム工学科卒業

企画部・人事部

徳田 裕介さん

「ぼくらの甲子園!ポケット」
プロデューサー

文系・理系の多様なクリエイターが
チームで「バズる」コンテンツを追求!

─そもそも「面白法人カヤック」とはどんなことをしている会社なのでしょうか?
川添
カヤックは、ゲーム・広告・Webサービスなどを制作するクリエイター集団です。主要事業は大きく分けて3つあります。1つ目はクライアントワーク。企業から依頼をうけて、企業プロモーションのお手伝いをする仕事です。技術力を活かして、企画の提案から実行まで、請け負うこともあります。また、時にはリアルなイベントの開催を請け負うこともあります。2つ目がゲームコミュニティサービス「Lobi」の運営事業。「Lobi」は、ソーシャルゲームのプレイヤーがチャットなどを使って他のプレイヤーと気軽に情報交換できるサービスです。運用開始から7年、現在は国内最大級の規模を誇るゲームコミュニティサイトに成長しています。そして3つ目が、我々が携わっているゲーム事業。ゲームを開発し、世に送り出すのが仕事です。「ぼくらの甲子園!ポケット」などの自社タイトルのほか、他社との協業タイトルをリリースすることもあります。
─おふたりは、どのようなお仕事をされているのでしょうか?
谷脇
私は、自社タイトルである「ぼくらの甲子園!ポケット」のサーバエンジニアを担当しています。実はゲーム開発のエンジニアは、スマホ上で動くプログラムを書く人と、ソーシャル機能に必要なサーバのプログラムを書く人に分かれているのですが、私の仕事は後者。サーバのプログラムを書いて、それを運用することが主な役割です。
川添
私はゲーム事業部の技術部リーダーとして、ゲームタイトルの立ち上げに関わります。そのタイトルが軌道に乗ったらまた別のタイトルの立ち上げに移り、軌道に乗ったらまた別のタイトルに......という風に動きながら全体を見ています。開発が佳境に入ったチームを、ヘルプとしてサポートすることもありますね。また最近は、自社でのゲーム開発における「共通基盤」をつくる仕事にも取り組んでいます。カヤックでは様々なゲームを開発・運営していますが、その中で、どのゲームにも共通して必要な、基本的な機能というものがあります。そうした定番機能の作業を共通化できれば、他のゲームとの差別化の部分に注力できるようになるわけです。無駄な作業はどんどん省いて、制作チームがゲームの「面白さ」の追求に時間をかけられる環境を目指しています。

自社開発した大ヒットゲーム「ぼくらの甲子園!ポケット」

─ひとつのゲームタイトルの開発には、どのくらいの人数が関わるのでしょうか?
谷脇
エンジニア、デザイナー、プランナー、ディレクターといったメンバーが集まって最初は10人程度でスタートします。開発の過程で人数が増えていって、後半になると30~40人になります。これは意外に高校生のみなさんは知らないかもしれませんね。
─チームでの役割分担を教えてもらえますか?
谷脇
エンジニアに関しては、先ほども話に出たようにスマホ上で動くプログラムを書くアプリのエンジニアと、ソーシャル機能に必要なサーバのプログラムを書くサーバエンジニアがいます。デザイナーも、画面のデザインをするUIデザイナーと、ゲームキャラクターの絵を描くグラフィッカーの2つに分かれていますね。ちなみに、UIとはユーザーインターフェースのこと。スマホやコンピュータの操作画面の設計が主な仕事です。
川添
ほかに、ゲームの企画を担当するのがプランナー。何をするゲームなのか、何が面白いゲームなのかを考える仕事です。それからゲーム全体の方針を決めるのがディレクター。ソーシャルゲームが毎週やるようなイベントを企画して、スケジュールを組むといった部分も担当しています。これらの6つの職種のリーダーたちが話し合って、開発方針を決めています。その他に、プロデューサーもいますが、主に予算面を管理する仕事ですね。ちなみに、理工系エンジニアばかりと思われがちですが、カヤックの場合、文系出身者も多いです。各々が自分の専門分野を活かしてゲーム制作に携わっています。
─チームでの作業はどのように行っているのでしょうか?

JR 鎌倉駅前の元銀行棟オフィスの会議室

川添
例えば、ゲーム内でひとつのイベントをやろうとなったときには、2か月くらい前から準備をはじめます。最初にそのイベントを担当するディレクター、デザイナー、エンジニアがみんな集まって企画会議を行い、そこから不明な点などを相談しながら制作をはじめていくという流れです。
谷脇
制作がはじまると基本的に、エンジニアはずっとパソコンに向かうことになるので、チーム内では主にチャットを使ってやりとりをしています。誰かがピンチの場合は手伝ったり、逆に手伝ってもらったりすることも。チーム内外で助け合って制作を進めています。
川添
基本は顔を合わせてのミーティングと黙々とパソコンに向かってソースコードを書く作業の繰り返しですが、その中で、常にチーム内で誰が何を求めているのかを考えるコミュニケーション力が求められますね。
谷脇
それに、サーバエンジニアの仕事は、ゲームがリリースされたら終わりではなく、むしろリリース後が本番です。サーバのプログラムが正常に動作しているかどうか監視し、不具合が起きた場合は迅速に対処しなければなりません。常にユーザーの気持ちになって仕事をする意識も大切です。
─最後に理工系進学を志す高校生へのメッセージを!
谷脇
普通、車をつくる、飛行機をつくるっていうとひとりでは難しいですよね。でもゲーム、プログラムに関して言えば、パソコンとインターネットさえあればひとりでもつくることができます。まずは、ものをつくる、つくりきるという経験をしてほしい。もっと言うと、つくったものをインターネットに公開するというところまでできるといいですね。「つくりたいな」という気持ちだけで終わってしまうひとが多いと思うので、「つくりきった」という経験はとても強みになると思います。
川添
今の時代、化学や物理、数学、何をするにしてもコンピュータサイエンスっていうのは学んでおく必要があるのではと思います。コンピュータがどう動いているか?だったり、基本的なことから学んで、コンピュータとの向き合い方をしっかり身につけておくと役に立つはずです。
谷脇
プログラミングはとっつきにくいかもしれませんが、理論通りにいかないことも多い自然科学などに比べれば、「書いた通りに動く」ぶん実験もしやすいですよね。
川添
大学の仲間とトライアンドエラーを繰り返す中で得るものが必ずあります。ぜひ積極的にチャレンジしてみてください。
カヤックの
ココがスゴイ!
AR技術を使ったアプリやユニーク採用も話題
面白法人カヤックが提供するコンテンツは、本文で紹介したゲームコミュニティ「Lobi」やスマホ向けアプリだけではない。例えば、ドラマとアプリを連動させた「世にも奇妙な物語×女子高生AIりんな」コラボプロジェクトや、先端AR技術「Tango」で建設現場の未来をつくる「コマツスマートコンストラクションTangoアプリ」など、各広告アワードを受賞した制作実績もまだまだ多数ある。また、自社コンテンツとして定期的に行っている「面白採用」キャンペーンでは、「バックトゥザフューチャー採用」、「佐藤採用」を実施するなど常にSNSで「バズる」話題を提供している。

ゲームコミュニティ「Lobi」