RESEARCH×TEAM

Team

パナソニック株式会社 
アプライアンス社 ビューティ・リビング事業部

Panasonic Beauty 開発チーム

女子高校生も気になる美容製品ブランドPanasonic Beauty。時代の一歩先を行く商品ラインナップは、いずれも確かな技術に支えられている。なかでも2015年5月に発売された「イオンエフェクター」は、予想を上回る売上げを記録。大ヒット商品はどのようなチームで開発されたのか? 商品企画担当の北岡慶子さんと技術開発担当の筏井和康さんに話を聞いた。

商品企画部
エステ・レディ商品企画課 課長

北岡 慶子さん

文系大学 人間科学部 卒業

ビューティ・アイロン商品部
エステ・レディ技術開発課 課長

筏井 和康さん

理系大学院 工学研究科 修士課程修了

技術者にとって100点満点は0点と一緒。
120点、150点をめざすのがプロです!

─こういった新しいコンセプトの商品は、どのように開発をスタートするのでしょう?
北岡
イオン・エフェクターは、Panasonic Beautyブランドの中でも未開拓の領域で、スタートは「オフ&ケア」というコンセプトでした。「オフ」は化粧落とし、「ケア」はしっかり保湿といった意味合いで、イオンエフェクターは、「ケア」を担う商品になります。
筏井
「すっぴんをよくしたい」という声がユーザーから多く寄せられていて、そのニーズに応えられる新しい技術開発を模索していました。肌をケアする「美顔器」は各社からたくさん出ています。この分野でまったく新しい商品を生み出したいと考えました。
北岡
Panasonic Beautyブランドの強みは他社製品にない圧倒的なユニークさです。そこで、「電気浸透流」という今までにない技術を駆使して、化粧水・乳液などの基礎化粧品をしっかり肌の角質層に浸透させることを新たな"価値"として提示したのです。
─今回の商品は、どのようなチームで開発されたのでしょうか?
北岡
大きく分けると「企画」と「開発」のチームがタッグを組んで進めます。「企画」を担当するのが私の所属する「商品企画」の部署。「開発」のほうは、主に「先行開発」「技術開発」「商品開発」の3つの部門があります。
筏井
ひとつずつ説明すると「先行技術」は言わば、将来に向けた要素技術の開発を担当する基礎研究チーム。
北岡
例えば、Panasonicブランド全体で展開する「ナノイー」技術を開発したのも「先行技術」を担当するチームですね。
筏井
次に「技術開発」のチームは、世の中の先行技術や社内の様々な技術を組み合わせて、新商品の仕様を考える部署です。今回の商品のポイントである「電気浸透流」の原理を用いたキー技術は、「技術開発」チームが、世の中の先行技術を調査し、大学の先生と相談しながら開発をしました。
北岡
機能性、デザイン性などさまざまな要素について、「商品企画」と「技術開発」のチーム、さらにデザイナーなども交えて議論を重ね、ユーザーにとってベストなものをめざします。私たち「商品企画」はユーザーの代弁者として、「こういう商品をこういう価格帯でほしい!」という理想を追求します。
筏井
このやりとりは非常に大切なプロセスで営業担当なども巻き込んで、不可欠な機能と市場に合わせた最適な価格をすり合わせていきます。いくら機能とデザインが優れていても価格が高すぎては売れませんからね。
北岡
技術者のこだわりとユーザーのニーズの折り合いをつけるのも「商品企画」の大切な仕事といえるかもしれません。
筏井
そして、商品の仕様が決まったら、詳細な設計を行い、量産化までもっていくのが「商品開発」チームの仕事。具体的には、商品の色々なプラスチック部品の詳細な設計図面を作成して、金型を発注したり、工場の生産ラインで量産化できるように、商品全体の詳細な開発をしたりするのです。

開発チームでは、女性スタッフも数多く活躍している

─イオンエフェクター開発で、技術的に工夫した点はどういうところなのでしょう?

モニタールームで肌に関するさまざまな調査が行われる

筏井
やはり新技術の「電気浸透流」を搭載したことです。これは、薬剤を効率良く皮膚や粘膜などを通して浸透させる「経皮浸透技術」に詳しい城西大学薬学部の杉林堅次教授に監修していただきながら開発しました。少しだけ詳しい話をすると「電気浸透流」は、プラスからマイナス電極に向かって発生する水の流れにのって化粧水の保湿成分を角質層に浸透させる技術。今まで肌の表面で流れてしまった保湿成分をより深く肌に浸透させることに成功したのです。
北岡
まさに「開発」部門の成果を商品化につなげた好例で、プロモーションをする際にも独自性を大いにアピールできました。
筏井
ヘッドの逆三角形の形状も試作を繰り返して、たどり着いたものですよね。
北岡
これは「保湿をしながらリフトアップもできたら理想的」というモニターアンケートの結果を反映させて、こうなったんです。
筏井
四角形や涙型など、いろいろなヘッドの試作品をモニターさんに試してもらい、最終的に今の逆三角形に落ち着きました。
北岡
筏井さんは技術者でありながら、常に「売れる商品とは何か?」ということを考えていて、入社後に希望して、「商品企画」でも4年近く働いた経験があるんですよね。
筏井
そうなんです。ただ求められる商品をつくるのではなく、期待を遥かに超えていくようなものをつくりたいと考えて、ユーザーの声により近い場所を選びました。その経験は今の部署でとても役立っています。
北岡
「 商品企画」としても筏井さんに頼めば、期待以上のものが上がってくると思って、依頼しているところがありますからね。
筏井
企業の技術者にとって、100点中100点を取るのは0点と一緒なんです。120点、150点をめざさないと。うちの開発チームの女性スタッフは目が厳しいですから……。
北岡
よくわかります(笑)。ただ、私たちもユーザーの皆さんが驚くような新しい商品を届けるために妥協はできませんからね!
イオンエフェクターの
ココがスゴイ!
イオンエフェクターが搭載している独自技術「電気浸透流」は、プラスからマイナス電極に向かって発生する水の流れのこと。この流れに乗って、化粧水の保湿成分も肌の角質層に浸透していく。ポイントは、既存製品では難しかったプラスやマイナスの電荷を持たない成分を一緒に角質層まで浸透させることに成功した点。さらに、市販の化粧水や乳液で使われる成分を浸透させた際の安全性を厳しくチェックしていることもPanasonic Beautyブランドの価値を高めている。

※インタビュー内容は取材当時のものです。