ビジネスの現場で輝きを放つ先輩たちは、仕事とどのように向き合い、努力をしているの？
さまざまな業界の最前線で活躍する女性の先輩たちに話を聞きました！
皆さんは「ポケモン」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。ピカチュウ？ 『ポケモンGO』？ 何であれ、ポケモンに触れていただいたことがあればうれしい限りです。ポケモンのはじまりは、1996年に発売された携帯型ゲーム用ソフト『ポケットモンスター 赤・緑』。その後トレーディングカードゲームやアニメ、グッズなどを展開してきました。現在では900種類以上ものポケモンが存在するんですよ！ 私たちの使命は、ポケモン1匹1匹の魅力を最大限に引き出し、活躍の場を広げること。900人のタレントを抱える芸能事務所のようなイメージです。私はそのマネージャーやプロデューサーとしての立場で、お子さんとポケモンの接点をつくるための商品開発や、現実世界の自然の中でポケモンを探索する『Pokémon WONDER』などの運営に取り組んでいます。今まであまりスポットが当たらなかったポケモンにもファンが生まれるよう、日々、新たな可能性を考えています。
国営みちのく杜の湖畔公園で乗船できるラプラスボート
私が立ち上げから関わったプロジェクトに「ポケモンローカルActs」があります。これは、地方自治体とコラボレーションし、地域ごとに選定した「推しポケモン」が各地の魅力を発信する活動です。ご当地のコラボグッズや観光促進イベントを通じ、多くの人に各地を訪れてもらい、地域とポケモン双方のファンを増やすことが目的です。
例えば、宮城県では2019年7月に「ラプラス」が推しポケモンに任命されました。ポケモンを選定する段階から、県の観光に関わる職員さんと私たちとで綿密な協議を重ねます。重要なのは、地域の皆さんがそのポケモンに愛着を持ってくれるように、地域の魅力や特徴に合致したポケモンを選ぶことです。
宮城県の場合は、県庁の皆さんから、東日本大震災から復興した姿をアピールし、観光を盛り上げたいという想いを伺いました。そこで、被災が大きかった沿岸部を中心に多くの人に旅をしてもらいたいという願いを込めて、水上を進むのりものポケモンであるラプラスを推しポケモンとすることに決定。実際に、国営みちのく杜の湖畔公園という場所では、スワンボートを模した「ラプラスボート」に乗船できるキャンペーンを展開しています。ボートの設計は、安全面を重視しつつラプラスのフォルムを忠実に再現するために、スワンボートメーカーの社員さんとも綿密に計画を練りました。地域とポケモンの魅力を同時に発信するのは難しい場面もありますが、地域の観光促進に貢献しつつ、ポケモンと社会との新たな接点を生み出せたときには達成感があります。
商品企画やイベントプロデュースの仕事は「企画力」が重要だと思われがちですが、壁にぶつかりながら企画を実現まで持っていく「持続力」も大事です。フットワーク軽くさまざまなことに挑戦し、困難が立ちはだかっても走り抜ける──。ぜひ、学生時代にそうした体験を積み重ねてください。
商品開発からイベント企画まで、多様な側面からポケモンの可能性を広げている津田さん。これまでのお仕事から2つの事例をご紹介します。
お子さんとポケモンとの出会いの機会を創出することを目的として、2018年8月に「My First Pokémon プロジェクト」がスタートしました。その中で、ポケモンをデザインにあしらった母子手帳を企画。母子手帳は保護者の皆さんが好きなデザインを選べるものではなく、基本的には住んでいる自治体が採用するデザインの母子手帳を受け取ることになります。そのため、ポケモンが好きな人だけでなくそこまで知らない人にとっても受け入れられやすいデザインをめざしました。
母子手帳の製作会社の意向も踏まえ、デザインを決定
東京都の遊園地・よみうりランド内にある『Pokémon WONDER』は、自然の中でポケモンを探すアドベンチャーです。最もこだわったのは、ポケモンの隠れ方です。ポケモン図鑑を片手に森の中を何回も歩きながら「ここにはこのポケモンが生息していそう」という観点でリアリティや納得感のある隠し方や表現を模索しました。来場した男の子が「この草むらにもポケモンがいそう！」と言っていたのを聞き、よりポケモンを身近に感じてくれたように思えてとてもうれしかったです。
個々の特徴を捉えた場所にポケモンが隠れている
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