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独立行政法人 国際協力機構
エチオピアオフィス

市川 裕一

立教大学 大学院

理学研究科
化学専攻
博士前期課程修了

理学部化学科の学びから
国家の開発・発展協力の道へ

考えて、調べて、試して、また考える—。
研究活動を通して身につけたものが人生の基盤になった

国の開発・発展をサポートし
人々の暮らしを支えるという仕事

 アフリカ大陸東部に位置する人口約9400万人の国・エチオピアが、現在私が駐在している場所。政府開発援助(ODA)の実施機関である独立行政法人 国際協力機構(JICA)の職員として2011年9月に赴任してきて以来、国家の開発・発展に資するインフラ分野のプロジェクトを、エチオピアの政府担当者と相談しながら進めています。
 もともと「正解」を追究したり、白黒はっきりつけられることが好きだった性格もあって、大学では理学部の門を叩きました。授業・アルバイト・サークルを行き来する平凡な大学生活だったと思います。しかし4年次に研究室に配属されてから研究に没頭しはじめ、いつも生活の中心に研究があるようになりました。そんな日々は大学院進学後の2年間も続き、卒業後はIT 関連企業へと就職。そこで5年間勤務した後、一念発起して参加した青年海外協力隊で訪れたのが、アフリカの小国・マラウイ。その経験が、今の仕事へとつながるきっかけでした。

人生に必要な考え方や知見は研究活動に散りばめられている

 エチオピアは物凄いスピードで発展をしています。そのスピードに遅れることなく、かつ質の高い仕事をすることは決して低いハードルではありません。そんな中、2014年には担当していた「古い橋梁の架け替えプロジェクト」が完成に至りました。政府担当者だけでなく、新しくなった橋を喜ぶ地域住民の生の声に触れることができた時は、大きな感動がありました。これからも長く地域の発展に貢献できるプロジェクトに携わっていきたいと、強く感じたことを覚えています。
 思い返せば、研究活動には「学び」の要素がたくさん詰まっていました。未知の「正解」を求めて考え、調べ、試し、結果を踏まえ改めて考えはじめる̶。この過程に、仕事や人生に必要な考え方や知見を見つけることができたのです。この経験が人生の基礎を築いてくれたと、今強く実感しています。たとえどのような夢を描いている人でも、何かをとことん追究した経験は、きっと将来の糧となるはずです。

担当していたプロジェクトで、普及員(政府の職員)の方が地域住民を集めて農業技術指導をしている様子をモニタリングしています。

独立行政法人 国際協力機構(JICA)

日本の政府開発援助を行う機関として、発展途上国への国際協力を行っている独立行政法人。「すべての人々が恩恵を受けるダイナミックな開発」というビジョンを掲げ、課題解決に取り組んでいる。

※インタビュー内容は取材当時のものです。