心健やかに毎日を過ごしたい。

■ どんな世界?
自分の思うままに、自分のペースで生きていくことができたら、どんなに幸せだろう。だが社会のなかで生きている以上、社会的な制約や人間関係など、思い通りにならないことの方が多いはずだ。フラストレーションやストレスを感じながらも、人は自分の感情と社会との折り合いをつけながら日々、生活している。しかしそのバランスが崩れたとき、うつ病や過食症・拒食症などの症状が現れたり、いじめや不登校、引きこもり、自傷といった行動に結びつく場合もある。
また、事故や災害に遭遇した後に見られるPDSD(心的外傷後ストレス障害)やパニック障害など、不安や恐怖が引き金となって起こる障害で悩んでいる人も増えている。「心の健康」が損なわれることにより、身体の健康もまた損なわれるのだ。
ストレス社会を明るく、たくましく乗り越える力を身につける。現代人にとって必要不可欠ともいえる研究分野が、健康心理学だ。心身ともに健康に過ごすには? 心や身体の病気にならないようサポートするには? こうした問いに、健康心理学が1つの解答を与えてくれる。心理学の視点から疾病の原因や対処を究明し、カウンセリングなどを通して症状の改善を図る。またリラクゼーションの仕方を指導し、ストレスとうまくつきあっていく方法を提案する。さらには本人が自発的に運動するよう働きかけることで、その人の生きる喜びづくりや健康の維持・増進に貢献する……心身ともに健康なライフスタイルを実現するために、心理学の知識や手法を用いて「心身の健康」をサポートするスペシャリストが今、求められているのだ。
■ 将来は?
カウンセラーや心理相談員として、人々の抱えている心理的問題解決に携わるのが一般的。就職先としては学校・福祉関連施設やカウンセリングセンター、健康増進施設などが考えられる。また、スポーツクラブやスポーツ関連産業で、健康づくり、生きがいづくりに携わる道もある。
心と健康に関する専門資格としては、認定心理士、認定健康心理士、ピアヘルパー、産業カウンセラー、健康運動実践指導者などがある。いずれも日本心理学会など専門の団体が認定している資格。この分野での活躍をめざすなら、取得しておくと有利だろう。
■ どう選ぶ?
心理系統の学科を選ぶのが王道だが、心理学の分野は多岐にわたっており、研究の手法や目的も大きく異なる。そのため学科の特徴を見極め、カウンセリングや「心の健康」に取り組んでいる大学・学科を選びたい。また、スポーツ・健康分野から「心の健康」にアプローチする方法もある。豊富な経験が求められる世界なので、実習先や内容についても事前にチェックしておこう。