医療と福祉の将来に貢献したい。

■ 医療界の現状?
近い将来、超高齢化社会となる日本。これからますます病気やケガで病院に世話になる高齢者が増えるのは確実だ。だが、日本の医療制度は今、極めて厳しい環境にさらされている。医師の絶対数が不足しているのはもちろんだが、地域による医師の偏在、相次ぐ地域拠点病院の閉鎖、救急患者のたらい回し、診療科ごとの医師数の不均衡(特に小児科、産婦人科、麻酔科などの医師数の減少)などさまざまな問題・課題が挙げられ、これらに対して早急な対策を施さなければ、日本の医療制度は崩壊するとさえいわれている。
医療と並んで、高齢化社会に不可欠な福祉サービスも同様。労働に見合う報酬が得られないことから、離職したり、福祉系の大学や専門学校などを出ても福祉の仕事に就かなかったりする若者が相次ぎ、やはり人材不足が大きな問題となっている。福祉・介護施設でも、人材難・経営難から閉鎖に追い込まれるところもある。
超高齢化社会の中で、高齢者や障害を抱えた人々が行き届いた医療と福祉のサービスを受けられるようにするには、医療と福祉、双方の専門知識を兼ね備えた人材が必要だ。併せて、病院や福祉施設を安定的に運営していくためには、マネジメントの知識も併せ持つ人材が望ましいといえる。
■ どんな仕事がある?
直接、病院などの医療施設や福祉・介護施設の経営に携わる以外にも、医療・福祉・マネジメントの知識が活かせる仕事はいろいろとある。例えば、病院や診療所からの依頼を受け、経営状態を総合的に調査・分析して、経営戦略や事業計画のアドバイスを行う医療経営コンサルタントという仕事がある。近年、医療現場では情報公開の視点からカルテ(診療記録)の開示が求められるようになっている。カルテの電子化も進んでいるし、治療費の計算方法も変わりつつある。その中で、重要性が高まっているのが、患者の治療内容や病状、検査記録などが書かれたカルテの処理と管理を専門に行う医療事務の専門職である「診療情報管理士」だ。このほかにも、医療秘書などの病院の医療事務関係の専門スタッフ、さらには医療関係の企業で働くという道もある。
■ どう選ぶ?
病院や福祉施設を運営したい、経営的な立場で医療や福祉に関わっていきたいという人は、それぞれの専門知識に加えて、医事法や社会福祉法をはじめとする法規、マーケティングや財務分析、経営戦略などの経営マネジメントの知識など、さまざまな知識が必要となる。保健医療系の学部にある医療福祉マネジメント、医療経営情報、保健医療経営といった学科に進むのがおススメだ。また、これらの学科ではさまざまな資格取得に対応したコース・専攻などが置かれている。自分のめざす資格が取得できるかどうかも進学の決め手のひとつとなるだろう。