ファッション産業で活躍したい。

■ どんな世界?
ファッションは時代を映す鏡と言われる。例えば、好景気の成長期は明るくはっきりとした色が流行り、不況で低迷期は渋めの中間色が受け入れられやすいという。しかし、実はこうした流行は、ファッションビジネス界が意識的に発信し、リードしていることが多いということをご存知だろうか。
特にこの未曽有の不況下、ファッション産業の市場規模も縮小し、競争も激化しているなかでは、消費者の財布のひもを緩めるのは容易なことではない。価格面も含め、消費者ニーズを掴んでいかないと生き残ることさえむずかしいのだ。
しかし、一方、衣類は日常的に必ず使うものであり、永遠になくならない市場でもある。しかも、アイデア次第、企画次第という一面があり、新規参入するにも比較的容易という魅力がある。例えばファッション産業の「川下」にあたるショップなら資金面を含めても容易に参入できる。ゆえに中小零細企業も多いのがファッション産業の特徴のひとつと言えるが、実は、「川上」にあたる素材産業も、「川中」にあたるアパレル生産業、卸業もいわゆる大企業は少ない。アパレル・ファッション産業はこうした多くの中小企業群のつながりで成り立っており、自然とコストがかかっていたという一面もある。この体系をシンプルにしてコスト改善したのがユニクロに代表されるファストファッションの旗手たち。生産から小売までを一貫して自社で行い、低価格の商品を大規模な広告展開で売りさばくビジネスモデルは、時代に受け入れられているわけだ。
■ どんな状況?
ユニクロのような製造小売業とでもいうべき業態以外にも、ファッション産業には、ビジネスの妙味が溢れている。生産ノウハウがなければノウハウのある会社を買収するというケースも含め、M&A(買収・合併)が盛んな業界であるし、生産コストの安い海外生産基盤の確保などグローバル化が最も進んだ業界のひとつだ。
無論、綿密なマーケティングは常に欠かせない。販売ノウハウや生産ノウハウも含めた経営ノウハウも求められる。当然、デザイン性はファッションであるかぎりつきまとうテーマであり、そのためには時代を読む力まで問われると言える。
■ どう選ぶ?
ファッションを学ぶというなら服飾系も考えられるが、ファッション産業で活躍するための能力を身につけたいのなら、社会科学系の学部・学科も視野に入る。服飾系ではビジネスノウハウはあまり期待できないこともあるので注意が必要。ビジネスノウハウという意味なら経営系、マクロの視点からファッションビジネスを見つめるなら経済系ということになる。いずれにしてもカリキュラムをよく調べて選択してほしい。