効率のよい風力発電機を創りたい。

■ どんな状況?
地球温暖化が進行するなか、温室効果ガスの大幅な削減が世界的に急がれている。日本は1990年比25%減という高い目標を掲げたのはご存知の通りだが、そのためには影響の大きい化石燃料(石油・石炭・天然ガス)による発電に変わる環境にやさしいクリーンエネルギーの普及が急がれている。
なかでも注目されているのが自然エネルギー。実用化されている主なものを挙げると、水力、太陽光、風力、バイオマス、地熱、波力などがある。このうち、風力発電によるエネルギーは、全人類の電力需要を賄える資源量があるとされ、欧米を中心に世界各地で普及が進んでいる。
欧州の風力発電大国ドイツ、デンマーク、スペインではすでに国家の屋台骨を支える主力エネルギーとしての役目を担っており、例えばスペインでは2008年に全電力需要に占める風力発電量のシェアが一時的にではあるが40%を超えた。世界一の風力発電能力に躍進したアメリカも、将来は20%を風力発電で賄うという目標を打ち出している。現状、すでに世界一とは言えそのシェアは1%に過ぎず、つまり今後20倍の需要が見込まれるということだ。
日本でも1500基を超える発電用風車が建設されているが全発電量に占める割合は1%未満。むしろ騒音被害、電波公害やコスト的な割高感を指摘する場合が多い。毎年のように台風が上陸することに備える=耐久性などの問題もあるが、技術的な問題なら必ず近い将来解決されると考えていいだろう。
■ 何を学ぶ?
風力発電は、風の力によって風車を回して発電する方式だ。日本では、現状、海岸部や離島など、安定した風力が得られ、騒音被害などの少ない地域で稼動しているケースが多い。
風力エネルギーは、約40%を電気エネルギーに変換できる効率の良さや純国産のエネルギーであることなどのメリットがある。将来、クリーンエネルギーの主役となり得る存在であるのは間違いない。一方で、風向・風速の変動による安定供給の難しさや、強風に耐え得る強度、騒音などの課題もある。それを解決するものこそ技術であり、これから風力発電に携わる技術者達の力である。特に、日本の風土に合った風車の開発・導入には大きなコストがかかるが、それに見合った技術を発揮できればいいだけのこと。例えば、洋上なら基礎工事不要でコストが大幅に節減できるボートのように海に浮いた「浮体型風車」の開発などである。そのための幅広い工学的な基礎全般と、柔軟な発想力、応用力を身につけておきたい。
■ どう選ぶ?
風力発電に技術面から貢献したいのなら、工学部か理工学部だ。電気電子工学系、機械工学系などで研究をしているケースが多いが、実際の研究内容を調べておくことが大切だ。