生活を豊かにする商品を生み出したい。

■ どんな世界?
不況で多くの人が不必要な出費を避けるようになり、「モノが売れない」といわれて久しい。だが、毎月何かしら新しい商品(製品)は生まれてくる。あるモノは最先端のテクノロジーをまとって、あるモノは人々の「こんなモノが欲しかった」という夢を満たすために。今後、景気が改復し、人々の購買意欲は再び高まっていくかもしれない。だが、日本が根本的に小資源国である限り、メーカー(企業)は、自社の製品を少しでも多く売るために、製品に付加価値をつけ、他社の製品との差別化を図っていかざるを得ない。だから商品開発を担当する部署の市場分析力、斬新な発想力、独創的なデザイン力などが、企業の命運を握っているといっても過言ではないのだ。
■ どんな仕事?
多くの企業では、新商品のアイディアを研究開発部員はもちろん、営業部員、流通業者、消費者など、できるだけ広い範囲から収集して分析している。寄せられたアイディアは「市場に送り出せるか」という生産者の視点からチェックされる。その上で、実際に商品にしていくためには、研究開発部員が、「なぜこの商品を市場に出すのか」を経営陣に説明しなければならない。ここでは、市場ニーズを的確に分析し、「何が売れるか」を見極める能力はもちろんだが、製品化のゴーサインを出してもらうためにも、経営陣を納得させるデータを用意し、それをきちんと説明できるプレゼンテーション力が求められる。
提案が了承されると、研究・試作段階に入る。ここからは実際に製品をカタチにするインダストリアルデザイナーやプロダクトデザイナーの出番だ。消費者の好みや今の社会の風潮などに合致するだけでなく、外観が魅力的で、使い勝手の良い製品をデザインしていかなければならない。企業によっては、社外のデザイナーに発注するケースも多い。上がってきたデザインのなかから採用するモデルを考えながら、類似品の販売データ、競合会社の動向、統計データなどから販売予測を立て、価格、ネーミング、販売方法などを検討。生産計画や販売計画を詰めて、市場への投入方法を具体化する。さらに、消費者モニターテストや、地域を選んだテスト販売などを経て、新商品が市場へ送り出されることになる。
■ どう選ぶ?
商品開発の担当者に求められる能力は、斬新なアイディアを考えつく力だけではない。トータルな視点で市場を見る分析力、提案力、協調性も重要になる。これらの能力を身につけるためには、経済、経営、マーケティング、流通などを幅広く学ぶことが大切だ。在学中にインターンシップ(企業などでの実地研修)に参加し、社会経験を蓄積するのもいいだろう。
同じ商品開発担当セクションでも、実際に形のあるモノ=製品としていくデザイン部門を担いたいなら、理工系や芸術系のデザイン系学部・学科に進み、理論とともに、発想力やデザイン力を磨いていけばよいだろう。