コンプライアンスはこれからの企業のキーワード。

■ どんな世界?
コンプライアンス(法令尊守)という単語が新聞の経済面をにぎわしている昨今だが、「何を騒いでいるの」と訝しげに思う人も少なくないはずだ。本来、法令を守ることは、誰にとっても、あたり前のことであるはずだからだ。企業は「利益を追い求める」ための組織だが、利益のためなら何をやってもいいという訳ではないのは周知の事実である。
ところが、法令違反をする企業が後を立たない。「食品の原材料や製造日の偽造」「マンションの耐震強度偽装」など、社会的ニュースになったもの以外にも、雑居ビルの居酒屋や老人介護・福祉施設の火事で、消防法違反(非常口が物で塞がれていた・燃えにくい性能のカーテンが使用されていなかった)の可能性が疑われるなど、日々何かしらの不備が取りざたされている。コンプライアンス違反が一因となった倒産件数も増加している。
再生の道を模索する企業もあるが、メディアを通じて圧倒的な情報が消費者に届く(ネット上に残る)時代だけに、一度失った信頼を取り戻すのは至難の業だと言えるだろう。
企業は利益を追い求める一方で、そのシステムの是非や社会的責任が常に問われているものなのだ。急な普及で法規整備が追いつかないインターネット関連業界もさまざまな問題を抱えているが、ルールが整備されない中でのグレーゾーンであれば、より正しいことを選択する判断力は、企業倫理に大きく依存するものとも言える。
■ 何を学ぶ?
昨今のニュースに対し「最近の企業はどうなっているの?」と興味・関心を抱く人もいるだろう。まずは企業活動を理解すること。そこが企業倫理を学ぶ出発点となる。企業活動は、実に複雑なメカニズムから成り立っていて、製品・サービス(知的財産権も含む)、市場調査、経理・会計、労務管理、人材育成、情報・通信、投資家への情報公開(ディスクロージャー)、海外進出、昨今は特に環境への対応、社会貢献も重要な要素だ。
これら多くの活動の下に企業は成立し、そのすべての場面で、倫理観が求められている。企業倫理を学ぶことは、企業そのものを深く理解することでもある。
■ どう学ぶか?
企業倫理について学べる学科を特定するのは難しい。というより、社会科学系の学科なら、いずれも避けては通れないテーマだと言える。企業を学ぶのだから最適なのは経営学科というケースもあるし、法学部で学べる企業に関連した法律(独占禁止法や労働基準法など)に魅力を感じる人もいるだろう。商学部や会計学を柱にする学科では、経営成績と財務状況という企業会計の根本を理解した上で企業倫理を考えることが可能になるだろう。近年は環境学(労働・消費者環境など)や、福祉などからのアプローチも十分に考えられる。