あらゆる「?」を研究したい。

■ どんな世界?
「おひとりさま」という言葉が最近注目を浴びている。結婚しない男女や一人暮らしのお年寄りなど、シングルライフを送る人々をさすキーワードで、彼らの暮らしぶりや考え方を分析したものや、老後の過ごしかたを提案した本がベストセラーになるなど、静かな社会現象を巻き起こしている。
このように身近で起こっていることを取り上げて研究・考察し、私たちが生きる社会を理解するのが「社会学」という学問だ。研究対象はまさに「何でもあり」。家族、地域、思想、宗教、産業、環境、文化、芸術……取り扱うテーマの多様さは社会学の大きな特徴。どんなに小さな興味でもきちんと受け止める、懐の深い学問だ。
■ 何を学ぶ?
あらゆることが学びの対象となるだけに、テーマに応じてアプローチの方法もさまざまだが、共通するのは、まず、現実の社会からデータを採集するという手法。そのために最も有効な手法とされるのがフィールドワークだ。
フィールドワークとは、資料や文献データから得た仮説を立証するために、インタビューやアンケートなどを通じて研究対象に直接コミットする「社会調査」のことだが、別に難しく考える必要はない。教室から飛び出し、例えば街の看板について、そこの経営者に理由を尋ねたり、街行く人々に感想を聞いてみることも立派な都市フィールドワークである。
要するにできるだけ多く生の現場のデータを集める、いわば現実からものを見る手法の総称がフィールドワークなのだ。特に日本のフィールドワークは、回収率やデータの質の高さなど国際的にも評価が高く、自信を持って取り組むことができるだろう。
またフィールドワークの他にも、実験、観察、文書や映像資料等の分析、マクロデータの利用などさまざまな研究手法を駆使できることも社会学の特徴だろう。
だから、きっかけはささいな「?」でも、研究を進めるうちにどんどん興味が広がり、やがて社会全般を視野に入れたスケールの研究に発展していくことも多いし、有意義な研究成果が社会システムの改善に役立つことも期待できる。つまり社会学を学ぶということは、柔軟で倫理的な思考力と、問題の発見・解決方法を導き出す力をつけていくということなのだ。
■ どう選ぶ?
そのものズバリ、社会学部あるいは社会学科から大学選びをスタートするとよい。ただし、社会学のカバーする範囲はあまりにも幅広いため、特定の社会学にスポットを当てた学部・学科も存在する。
例えば人間関係学科、人間科学科、社会情報学科、社会心理学科、政策情報学科、国際社会学科などの名称を持つ学科も、検討の対象に加えておきたい。