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管理栄養士になりたい

食と健康のプロになりたい。

管理栄養士になりたい

■ どんな世界?
 近年、私たちをとりまく「食」の環境は大きく変化し、その影響がさまざまなところで現れている。例えば「メタボ」。ご存知「メタボリックシンドローム」の略称だが、カロリー摂取過多とバランスの悪い食生活、そして運動不足によってついた内臓脂肪が原因となり、動脈硬化、高血圧、高脂血症、糖尿病、脳卒中などの病気になりやすい状態のことを表している。厚生労働省もメタボ対策を政策として打ち出しているが、メタボの抑制が肥大化する医療費抑制に大きな効果があるからに他ならない。
 一方、肥満とは逆に、間違ったダイエットによる弊害も指摘されている。特に無理な食事制限は、体重は落ちても健康状態を損なってしまうことが少なくない。内臓脂肪が落ちればいいのだが、筋肉を落としてしまえば基礎代謝能力も落ち、むしろ「痩せにくい」体になってしまう。だが、5年後の健康より明日の見た目を重視する人の耳には届かない。行き過ぎた栄養失調は、貧血、骨粗鬆症、便秘、さらには、むくみ、抜け毛、視力の低下をまねくことさえある。摂食障害は命の危険さえある。つまり、食習慣は、そのまま健康に大きく影響するということだ。
 そこで、注目されるのが栄養士や管理栄養士の役割。人々の栄養指導に従事するこの資格は、2000年の栄養士法改正で、「登録制」から「免許制」に変更され、罰則も強化。管理栄養士は、まさに栄養に関するプロ中のプロとして責任ある仕事をこなすことが求められている。

■ 栄養士と管理栄養士の違いは?
 以前は、栄養士と管理栄養士に厳密な差は無く、説明する法律の文言に「複雑にして困難な」業務を担うのが管理栄養士という程度の差でしかなかった。栄養士の資格を持った者が管理栄養士の資格試験を受けられるという意味では、管理栄養士は経験豊富の証明というのが世間一般の認識だったように思われる。現在の栄養士の身分等を規定する栄養士法は以下の通り。
 栄養士は「都道府県知事の免許を受けて、栄養士の名称を用いて栄養の指導に従事することを業とする者」。一方、管理栄養士は、「厚生労働大臣の免許を受けて、管理栄養士の名称を用いて、傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導、個人の身体の状況、栄養状態等に応じた高度の専門的知識及び技術を要する健康の保持増進のための栄養の指導並びに特定多数人に対して継続的に食事を供給する施設における利用者の身体の状況、栄養状態、利用の状況等に応じた特別の配慮を必要とする給食管理及びこれらの施設に対する栄養改善上必要な指導等を行うことを業とする者」となっている。
 文面の長さだけでも管理栄養士のたいへんさがわかると思うが、例えば都道府県知事が指定する特定給食施設(健康増進法という法律で決められた施設)、保健所は、管理栄養士でなければならないと決められている。さらに、病院での栄養指導はほとんどの病院で管理栄養士が担う。これは診療報酬の関係で、管理栄養士でなければ病院側のボランティアになってしまうからだ。
 医療系に強いのは圧倒的に管理栄養士。 臨床栄養士と名称変更した方が相応しいほど、病院や福祉施設における管理栄養士の役割は大きい。
 さらに、2009年からは特定健康診査・保健指導が始まった。これは、生活習慣病予防のための新しい検査・指導だ。これらのことから、栄養のスペシャリストとなる管理栄養士のニーズは、今後ますます高まることが予想される。

■ どんな試験?
 管理栄養士になるには、国家試験に合格することが必要になる。そのためには、4年制の管理栄養士を養成する学科を卒業し栄養士の資格を得て、はじめて国家試験を受けることができるのだ。栄養士は厚生労働大臣が指定した栄養士養成施設(大学・短大・専門学校)を卒業し、その後各都道府県に申請すれば、無試験で資格取得できる。そのため、栄養士養成施設を卒業し、栄養士の資格を得てから実務経験(2年制の養成施設は3年以上、同様に3年制は2年以上、4年制は1年以上)を積めば、管理栄養士を養成する学科を卒業してなくても受験は可能だ。
 試験は狭き門で、合格率は平均20%前後と厳しい状況だ。試験科目には「社会・環境と健康」「人体の構造と機能および疾病の成り立ち」「食べ物と健康」「基礎栄養学」「応用栄養学」「給食経営管理論」の9科目190問と、応用試験10問の200問となる。

■ どう選ぶ?
 管理栄養士をめざすなら、最初から4年制の管理栄養士を養成する学科へ進学するのが一番の早道。管理栄養士養成施設は、家政学部、栄養学部、生活科学部などに設置される管理栄養学科、栄養学科、健康栄養学科などで、大学によっては専攻として設置されている。よく確認しておきたい。

■ 何を学ぶ?
 現代社会の多様なニーズに対応できる管理栄養士として、必要な専門能力を養う。栄養学、食品衛生学、公衆衛生学など、栄養士としての基本的な分野はもちろんのこと、保健所や介護福祉施設などの地域福祉にも大いに関わることから、福祉、保健分野もカバー。疾病予防など医学的な視点も重要になる。さらに、健康増進を目的としたスポーツ科学的な視点など、人・食・社会・運動・医療・福祉を幅広く学ぶことになる。卒業時には栄養士資格と、管理栄養士の受験資格を得る。食品衛生監視員、食品衛生管理者の資格も取得できる。いずれにしても、管理栄養士という難関試験合格を目的としているため、授業、実習に時間を割いている大学が多い。やりがいのある職に就くためのステップとして、ぜひ、チャレンジして欲しい。/p>

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