看護や介護の世界で活躍したい。

■ どんな仕事?
「白衣の天使」などという言葉もあるように、看護師は、昔から女性にとって憧れの職業の1つだ。主人公が看護師だったり、看護師が重要な役割を果たしたりするテレビドラマや映画も多い。
その一方で、深夜勤務などもあり、看護師の仕事は極めてハードだというイメージもある。いずれにしても、看護師が病気に罹った人やケガをした人などが健康を取り戻すために無くてはならない存在であることは、昔も今も変わりない。
現代の医療現場では「チーム医療」が浸透しつつある。その中で看護師は、医師はもちろん、薬剤師、診療放射線技師をはじめとする各種技師(士)、理学療法士や作業療法士などのリハビリの専門家、さらに管理栄養士や心理カウンセラーなど、各部門のエキスパートとの連携の中で欠かせない存在だといえる。
医師を中心とするチームのマネージャー的な存在であり、患者と日常的に触れ合い、手術にも立ち会う。
さらに、時に連絡係、時にアシスタント、時に記録係と、医療人の中で守備範囲が極端に広いのが看護師の職務なのだ。注射・採血・与薬・排泄の援助・病室の掃除・診察の介助・病室内でのリハビリなど多岐にわたる業務をこなしながら、患者の状態を総合的に把握する役割として、今後も重要なポジションを担っていくだろう。
病院や診療所以外の場にも、看護師の活躍の場は広がっている。社会福祉施設や老人保健施設、訪問看護ステーション、ホスピスなどにおける高齢者看護、自宅患者に対する「訪問看護」のニーズは今後ますます大きくなっていく。それに伴い、看護職に求められるスキルも多様化・高度化していくことは間違いない。
看護師には、医学的知識や技術はもちろんだが、患者の症状を正確に把握し、適切な処置を行うためにも、冷静な判断力や行動力が求められる。患者の多くは、病気やケガに対する不安で精神的に不安定な状態となりやすいため、いたわりや思いやりの気持ちも欠かせない。
患者との確かな信頼関係を築くことも、看護師の重要な役割の1つだといえるだろう。
■ 現状は?
日本における看護師の数は着実に増加している。厚生労働省が発表した「平成20年度保健・衛生行政業務報告」によると、2008年末現在の看護師の数は87万7182人(男4万4884人、女83万2298人)。
2年前の1998年に比べると約6万5000人(8.0% )、10年前(1998年)と比べると、28万人以上(約48% )も増えており、近年では男性の比率も上がっている(1998年=3.1%→2008年=5.1%)。
しかし、日本は世界一の高齢化社会だ。これから高齢化が進めば、医療や介護を必要とする高齢者の数はますます増えていく。医療技術もさらに進歩していくだろう。こうした状況を考えれば、看護師のニーズはさらに高まっていくことは確実であり、看護師の数は決して十分だとはいえないだろう。
■ どんな試験?
看護師になるためには、看護師国家試験をパスすることが必須となる。
2009年2月に行われた第98回国家試験では、受験者数5万906名に対して、合格者数は4万5784名。合格率は89.9%だった。このうち新卒者は4万6101名が受験、4万3508名が合格し、合格率は新卒が94.4%と高くなっている。既卒の合格率は47.4%と、新卒者よりグッと低くなる。卒業後に再チャレンジして合格を勝ち取ることは容易ではないことを心しておくべきだろう。
■ どう選ぶ?
すでに高校に入学しているキミたちが看護師をめざす場合、選択肢は4つ。
4年制大学の看護学部や医学系学部の看護学科、3年制の短期大学看護系学科のほか、病院や大学の医学部に付属する看護師養成所(専門学校)を卒業するか、准看護師養成所(2年)で准看護師の資格を取ってから看護師になるというパターンだ。
いずれも卒業して得られるのは国家試験の受験資格で、看護師の資格は試験に合格して初めて手にすることができる。
修業年限は、法律では「看護師になるためには3年間の教育を受ければよい」としている。年限の違いは「在学中にいかに多くの物事を学ぶか」ということ。
専門学校が専門知識・技能の習得を最優先にしているのに対し、大学では「専門的知識+医療現場で必要とされる判断力・適応力」を学ぶ。看護だけでなく、医療全般を進路として考えるかどうかが選択の分かれ目だろう。
どちらに進むにしても、看護学の理論を学ぶ科目、各専門領域の理論・実践を学ぶ科目、そして現場での実習とカリキュラムは広範にわたるため、かなりハードな毎日になることを覚悟しておかなければならない。
看護学系の大学・短大・専門学校の中には、出産分娩の介助や育児相談・指導などを行う「助産師」や、保健所・保健センターなどで生活に密着した保健指導を行い、地域住民の健康管理、疾病の予防などに携わる「保健師」の受験資格を取得できるところもある。
いずれも看護師国家試験合格者または受験資格を有する者で、助産師あるいは保健師受験に必要な科目を取得し、卒業すれば得られる。