人類の営みを見つめたい。

■ どんな学問?
歴史学とは、過去の史料を検証する課程を通して歴史的事実、及びそれらの関連を追及する学問だ。
研究対象やスタイルは幅広く、政治史、経済史、文化史、人物史、考古学などテーマの数だけ学問が成り立つともいえる。人類が地球上に出現して数千年。その人類の発展の過程を科学的に検証し、考察するのだから、とてつもなくスケールの大きい学問である。史学の目的は、過去を振り返るだけではない。歴史を通して人間の優れた知恵を学び、人類の未来の発展に役立てることもできる。
■ 何を学ぶ?
大学で行われる史学研究は、高校までの教科書や年号を暗記していくだけの勉強とは大きく違う。もちろん、最低限の知識は求められるが、教室での講義のほかに、実際に史跡や歴史的建造物などを見学する研修旅行やフィールドワークにおける研究手法も重視される。史料発見・活用は歴史研究の要ではあるが、その史料の信憑性を調べ、より客観的な眼で検討することも正確な解釈には必要だ。
歴史学を学ぶ代表的学科が史学科だ。その中身は大きく「日本史学」「東洋史学」「西洋史学」に分かれ、史学科のなかにこれらの専攻・コースを設けている場合が大半だ。その専攻も、大学によって特色が強いので、カリキュラムや教授陣をよく調べておこう。
例えば、ある大学は美術史に強いとか、また別の大学は考古学に強いといった具合である。将来歴史学の世界で仕事をしたいと思うなら、教授個人の研究テーマ、活動内容を調べ、自分の進みたい分野に強い大学選びをしておきたい。
学習内容としては、資料としての文献が重視されるので、日本史学研究では古文書、東洋史学では漢文史料、西洋史学では欧文史料を講読するための学習にもかなりの比重が割かれる。ただし、現在の歴史学は、文献研究以外の方法(絵画、伝承、考古学など)も同様に重視しており、次第に人類学的な性格を持ちつつある。美術品を扱う場合、パソコンを使用した文様などの考察が含まれることもあり、その場合、パソコンのスキルが求められる。
■ 将来の進路は?
史学系学科は教育系学部に設置されていることが多く、その場合、中学・高校の社会や地理・歴史の教員になるのが一般的だ。
また、文学系学部などでより専門的な教育を受けた場合、公務員や学芸員として古文書調査や民俗調査を行ったり、県史や市町村史などの作成に携わったり、予備校講師になるなど、知識を活かした進路が考えられる。
もちろん、多くは普通の企業に就職する。その場合は、史学を学んだことで備わる文献読解力や構想力・調査能力がさまざまな場面で役立つだろう。