地球の自然や文化を深く知りたい。

■ どんな学問?
商業施設の密集した繁華街、過疎化が懸念される農村地帯、次々と住宅が建てられる郊外。人々が存在する「場所」の特性がどのように成立してきたのか、さまざまなアプローチで解き明かそうとする学問が地理学だ。海や山などの地理的条件、気候や台風などの自然現象が与える影響から、交通条件、農業や商業といった経済活動、民族・文化との関わりまで、アプローチの手法はきわめて幅広く複合的。社会科学と自然科学の特徴を兼ね備えた学問ともいえる。
研究対象を大きく分けると、自然環境そのものについて理解を深める「自然地理学」と、産業や文化、政治・経済などについて研究する「人文地理学」、各地域の自然や文化、産業などについて総合的に学ぶ「地誌学」、地図または地球儀を作成するための「地図学」の4つの柱がある。なかでも自然地理学と人文地理学は、それぞれひとつの学問体系と捉えてもおかしくないほど学びの分野が多岐にわたる。さらに最近では、GISを利用した地理情報科学など学際的な広がりも見せている。
地理学は、何に焦点を当てるかによって研究対象が大きく違ってくる。例えば環境地理学は、地球環境の変化と人間との関わりについて、文化地理学は、その地域で使われている言語や生活様式、習慣、宗教などの文化を地理学的な視点から研究する。ただしどの分野でも共通しているのは、野外実習(フィールドワーク)が多いこと。対象地域を訪れ、そこの風土や気候、産業などの特色を自分の目で確かめ、分析を進めていく。
■ どう学ぶ?
学びの範囲が幅広い地理学の場合、学部・学科選択にあたって、「具体的にどの分野を専攻したいのか」を考えることが大切だ。また学部・学科の名称に地理や地学と冠していなくても、環境系学部や教育系学部などで実質的に地理学教育を行っている大学は少なくない。
どの系統の地理学科においても、人文地理学、自然地理学、地誌学の3分野に亘って広く履修科目を用意しているので、まずは大学ごとのカリキュラムを確認してみることだ。
■ 将来の進路は?
地理学科では、所定の単位を修めることで、卒業時に「測量士補」の資格が得られる。また、教職課程を履修すれば、理科や地理歴史などの教職免許を取得できる。卒業後は中学・高校の教諭や、測量・地図製作会社や建設会社、不動産会社、地域開発関連企業、出版社、旅行会社など専門性を活かした就職ができるだろう。もちろん一般企業に就職するケースも多い。地方の過疎化や、中国やインド等の新興国の発展による世界情勢の変化、地球温暖化による異常気象など、地理学に関わる範囲は広い。そのため、学際的な知識を生かして、業種・職種を問わず、さまざまな分野での活躍が期待できる。
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