世界の人々に日本語を教えたい。

■ 仕事と現状は?
日本語教師とは、その名の通り日本語を母語としない人に日本語を教える教師のこと。その活躍の場は、大学や大学院、民間の語学学校で外国人留学生に日本語を教えるものから、海外の学校で外国語として日本語を教えるケースまで幅広い。文化庁の調査によると、2008年11月1日現在、日本国内で日本語を学んでいる人の数は16万6631人で、10年前に比べると倍増している。日本語教師の数も3万959人で、10年前より約1万1000人増加している。
国内だけでなく、海外でも日本語学習者は2006年現在で33カ国・地域にわたり、約298万人におよんでいる(独立行政法人・国際交流基金調べ)。学習者の6割は韓国、中国を中心とした東アジアが占めているが、オーストラリアやインドネシアなどでも日本語を学んでいる人の数は少なくない。
教える日本語のレベルは、日常生活に困らない程度や、日本の大学で授業を受けられるレベルなど、学校によって異なる。ビジネスマンを対象とした講座であれば、ビジネス用語の知識も求められる。日本語教師は単に語学としての日本語を教えるだけでなく、日本文化を外国人に伝える発信者としての役割も担っているといってよいだろう。
■ 資格は?
日本語教師となるための国家資格や公的資格はまだない。ただし、大学などで留学生に日本語を教えるケースなど、ある程度のレベルが要求される場合は、大学院で日本語学を専攻し、修士以上を修得していることを条件とすることもある。小・中・高校では教員免許が必要な場合もある。
現在、日本語教師としての能力を証明する検定として、日本国際教育支援協会が実施している「日本語教育能力検定試験」がある。日本語学校などでも、この検定に合格していることを採用条件にしているところが多い。2009年度の結果を見ると、受験者5203人に対し、合格者は1215人。合格率23.4%と、日本語や日本文化だけでなく、異文化に対する専門的で高度な知識が必要な厳しい試験となっている。
日本語教師は、日本語を理解できない外国人に日本語の使い方を教えることが仕事となるので、外国語、それもできれば教える生徒の母語である言葉を話せた方がベターだ。初めて日本語を習う生徒に対して、日本語と外国語のアクセントや微妙なニュアンスの違いなどを伝えることができ、より教育効果を高めることができるからだ。
■ どう選ぶ?
外国語学部の日本語学科、あるいは日本語日本文化学科などの文化系学部に進むのが一般的だ。日本語教師の養成課程やコースを設置しているところも多い。諸外国の言語や文化を学べる科目があるかどうかもチェックしておきたい。