法律の世界で人の役に立ちたい。

■ どんな現状?
昨年8月にはじまった裁判員制度。報道は裁判員として参加する市民ばかりクローズアップしているが、裁判官の責務は軽くなるどころか、むしろ重くなっていることにも目を向けていただきたい。裁判員裁判でも、法律の解釈についての判断や、訴訟手続についての判断など、法律に関する専門知識が必要な事項については裁判官が担当する。また、有罪無罪、量刑等は裁判員6人と裁判官3人の合議で評決には過半数の賛成が必要だが、裁判員と裁判官のそれぞれ1名は賛成しなければ成立しない。ひとりの裁判官に課せられる判断の重さの比率は増しているのだ。
ところで裁判員制度の導入は、国民の量刑感覚が反映されるなどの効果を期待してのこと。これは2002年に改正され導入された新司法試験も同様の主旨を含んでいる。大袈裟でも何でもなく社会と隔絶して猛勉強しなければ合格できなかった旧司法試験では、社会性や時代感覚の欠如した法曹しか生みださないのではないかということを憂慮したものでもある。
■ 新司法試験
新司法試験では原則として法科大学院(ロースクール)修了者に受験資格が与えられる。合格者は司法修習生として約10か月間の実務修習を受ける。このうち8か月間は、民事裁判修習、刑事裁判修習、検察修習、弁護修習にあてられ、残りの2か月間は選択型実務修習となる。裁判官・検察官・弁護士いずれの職に就きたいかという希望を踏まえ、総合的な法曹実務を修習する。その後、2か月間、最高裁判所付属の司法研修所で集合研修を受ける。こうして1年間の司法修習を終えた後、司法修習生考試を受け、合格すれば晴れて法曹となる資格を得ることができる。司法修習生考試でも数%の不合格者が出るので注意したい。
■ どんな仕事?
裁判官は、裁判所で刑事事件や民事事件の審理を行い、判決を下すのが主な仕事。他にも逮捕状や捜査令状などの発付も担当する。検察官は、罪を犯した者を被害者に代わって訴え(起訴)、その事実を裁判で立証するのが主な仕事だ。弁護士は、裁判で依頼者の求めに応じて弁護活動を行う仕事なので検察官とは利害関係が真逆な人の立場に就くということになる。弁護士はこの他、相続や労使関係、企業法務など法律に関する業務も担う。
■ どう選ぶ?
法科大学院への進学を視野に入れた大学選びが基本となる。新司法試験は、法科大学院修了後5年以内に3回までしか受験できないので在学中はそのつもりで勉強しないといけない。当然ながら、法科大学院の新司法試験の合格率にも注目したい。