環境問題の解決を図りたい。

■ 最新事情は?
京都議定書からコペンハーゲン合意へ。昨年末のCOP15では、めざしていた政治合意には至らなかったものの、気温上昇の抑制や途上国も含む削減行動の提出について書かれた「コペンハーゲン合意」が留意されたことは大きな一歩。国連史上最多とされる119人の首脳が集まって議論し、首脳陣自らが文書を作成したことを踏まえると今後のCOPでの交渉にとって大きな重みを持つものである。新たな法的文書の採択に向けては長いプロセスが予想されるが、現実的な前進だったとは言えよう。
各国間の利害の調整は容易でないが、温暖化を抑制し、低炭素社会をつくっていくには世界的な社会システムの構築が必要であり、自然科学のみからのアプローチだけでは不十分であることも逆によくわかったCOP15だったとも言える。つまり、環境というものは、すべての人が互いに影響を及ぼし合いながらつくられるものでもあるのだ。一人ひとりの行動や生活科学からのアプローチの重要性もクローズアップされるということになる。
■ 何を学ぶ?
世界は今、環境問題の解決に向けて大きく動き出そうとしている。社会も、環境問題に関する知識・教養を備えた人材を求める傾向はさらに高まるのは間違いない。温暖化ガスの排出権取引がはじまり、ISO認証もあたり前になった昨今は、どんな企業においても、また自治体においても、環境に精通している人材は引っぱりダコ。近年、多くの大学で環境系の学部・学科の新設が相次いでいることも、需要の高さの証と言える。
自然科学系のみならず、環境を社会現象の結果と捉え、「持続可能」な社会システム構築のための研究を行う学部・学科も増えてきた。こうした新設学部・学科の学びの内容を調べていくと、対環境、対温暖化という対処療法的な対策のみでは、実際には現実的な解決には至らないことがわかる。人と環境の関わりを包括的に捉え、複雑に絡み合う課題に全方位から取り組む必要があるのだ。文化、行動、社会なども含め、文理融合で幅広い研究がはじまっている。
■ どう選ぶ?
環境問題に関連するテーマはさまざまな学部系統で学べるが、より深い学びを得たければ、科学技術の問題も含め総合的、学際的に幅広く学べる学科を選ぶことを心がけるといいだろう。
人間環境科学科、環境経営学科、環境情報学科などのように「環境」を看板に掲げた学科を選ぶのもひとつのセオリー。ただし、環境へのアプローチは多角的だけに、カリキュラムのチェックは絶対に欠かせない。これを怠ると、自分が想い描いたアプローチとまったく違う学びをすることになることもあるので、環境系の学問を志す場合は特に注意していただきたい。