すべての患者に最適な医療を施したい

■ どんな世界?
現代医療のキーワードといわれる「チーム医療」。医師が中心となって、看護師や薬剤師、診療放射線技師をはじめとする検査スタッフ、理学療法士や作業療法士などのリハビリテーションスタッフといった医療のプロフェッショナルがチームを組み、それぞれの専門知識を活かしながら、患者1人ひとりにとって最適な治療やリハビリテーションを施す。
最近では、医療関係者だけでなく、病気やケガなどで悩む患者の心理的負担を軽減するカウンセラーなどの心理専門職、栄養面から患者の健康回復をサポートする管理栄養士などの栄養のプロフェッショナル、治療の過程や治癒後の生活を支える社会福祉士や介護福祉士などの福祉系専門職などもチーム医療のスタッフとして加わるようになっている。
医療の高度化が進む一方で、医師不足が叫ばれている現在では、もはや従来の医師を頂点としたピラミッド型の医療では対応できなくなっている。患者の心身を総合的にケアし、1人ひとりのQOL(Quality Of Life〈クォリティ・オブ・ライフ=生活の質〉)を高める医療のスタイルとして、その進展にますます期待が高まっている。
■ これからどうなる?
初期のチーム医療は、医師が治療方針や方法を立て、その他のスタッフがそれに従って治療に当たるトップダウン型が主流だった。しかし、各専門スタッフのプロとしての認識不足や、互いの連携不足が患者の不満や思わぬ事故を引き起こすことにつながるという意識が高まり、現在では各専門職がそれぞれの立場から、患者にとって最も適切な治療方法やリハビリテーションの方法について忌憚なく意見を述べ合うようになり、より機能的なチームケアへ転換しようという動きが見られるようになってきている。
このような真の意味でのチーム医療を確立していくには、まだまだ克服すべき課題は少なくない。だが、これからますます高齢化が進む日本にとって、チーム医療の重要性はこれからますます高まっていくことは確実だ。
■ どう選ぶ?
チーム医療に携わる医療のプロフェッショナルをめざすなら、薬剤師であれば薬学系、看護師であれば看護系というように、各分野の専門知識・技術が学べ、受験資格が取得できる学部・学科に進むのが王道だ。
ただ、チーム医療の考え方や最新動向を学びたいなら、できればこうした学部・学科を複数持つ医療系総合大学に進学した方が有利だといえる。必要に応じて自分の専門分野以外の内容も学ぶことができる、各分野を横断した総合的な実習体制が採られている、といったように、将来、チーム医療のスタッフとして活躍するために欠かせない知識や技術を身につけることができるからだ。