樹木の健康を守って、地球環境問題に取り組みたい。

■ どんな仕事?
公園、街路樹、もちろん学校で……日常生活で植物や樹木を目にしない日はない。だがその植物たちが健やかであるかを気にすることはあるだろうか? 日当たりや肥料など「育てる仕組み」は想像できても、病気の診断・治療や保護・管理には専門家が必要だ。その役割を担うのが樹木医。樹木の生命を守るスペシャリストだ。
特に現代では、人間がもたらした自然環境の激変によって、樹木の健康が蝕まれ、場合によっては死に至ることすら少なくない。20世紀後半から問題となっている酸性雨による樹木の枯死などは、その典型例である。
そうした樹木の健康を守り、人間と樹木との豊かな共生を進めていくのが、樹木医の仕事だ。樹木医は、街路樹や庭木といった生活に関わりの深い樹木から、天然記念物にもなっているような名木や巨樹といった樹木を対象に、病気や傷みの診断と治療、樹勢の回復、病気の予防を行う。また、樹木の保護育成も樹木医の仕事のひとつである。地球環境保全の最前線に立つ職業でもある。
■ 資格は?
樹木医は、財団法人日本緑化センターが登録商標した名称で、同センターが実施する資格審査の合格者だけが用いることができる。民間資格ではあるものの、社会的に認知されているものである。
樹木医の応募資格は、樹木の診断・治療などの業務経験が7年以上(樹木医補の場合は、認定後の業務経歴1年以上)でなければならない。
応募者は、毎年7月実施の第1次審査(必要な知識と技能に関する筆記試験と業績審査)に合格後、10月の研修(講義・実習および筆記試験)・面接・資格審査からなる第2次審査に合格して樹木医として認定される。
認定されると、樹木医登録者名簿に登載され、この名簿は、林野庁、都道府県の緑化担当部局、都道府県の緑化センターなどに備えられる。合格率は20%ほどでやや難関といえる。
■ 何を学ぶ?
樹木医になるためには、大学卒業が条件ではない。しかし、大学の農学系では、樹木医になるために必要な知識と技術を学ぶことができる。将来、樹木医をめざすのであれば、農学系の大学で生物学をはじめ植物学や微生物学、害虫学、また園芸学や緑地計画、森林科学、林学といった分野を学べる大学が第一の選択肢となる。また、生物学などの理学系やその他の工学系を出た後、樹木に関わる仕事に従事して、樹木医の認定をめざす方向もある。