健康で安全な食品をつくりたい。

■ どんな状況?
中国製冷凍餃子中毒事件が発覚してから2年。前後して頻発した数々の食の安全性を脅かす事件も相まって、消費者の「食品の安全に対する意識」は依然高まっている。賞味期間やカロリーのみならず、ミネラルも含めた細かな栄養成分、遺伝子組み換えの有無、産地に至るまで、台所を預かる主婦はたいへんに敏感になっている。一方、トクホ(特定保健用食品)に代表されるように食品と健康との関わりにも関心が高まっている。栄養面だけでなく、体をあたためたり体脂肪の燃焼を促進する機能も期待されている。つまり、現代の「食」には、徹底した安全、安心の追求と、健康に対する新しい課題やニーズをすくい上げ、対応していく技術力が求められているのだ。
■ 何を学ぶ?
食品を学ぶ学部学科は、大きく分けて、栄養学系と農学系の2つがある。
栄養学・食品科学科などの食品学に関する学科では、生命科学を基本とし、栄養と健康・疾病との関係、さらに人の栄養状態を適正化する方法を総合的に学ぶ。特に、食品科学系は、食品の製造開発や品質管理、栄養・機能、流通・消費等を研究する。幅広い知識を養うために海外研修を取り入れている大学もあるので、興味がある人は大学選びの時に調べてみるとよいだろう。
なお、機能性食品の研究・開発を担当する技術職の場合、大学院を出ていることが求められる場合が多い。また、食品会社で商品の企画開発をするような職種の場合、経済学部、商学部、法学部などの文系出身者でも可能だが、栄養学の知識を持っていた方が圧倒的に有利と言えよう。
食品の素材の生産を担う農学系の学科では、生産効率と食の安全が同時に求められる。農学というと、農業しか頭に浮かばないかもしれないが、実際には、農業・林業・水産業・畜産業のすべて関わる応用科学的な実学なのだ。人口爆発に備えての食糧増産技術や、有機・無農薬農法の研究などその分野は多岐にわたる。栄養学との関わりも深い。食の安全という面では、生産の現場のみならず、流通、保存、加工に関する分野を含む農学に学ぶのもひとつの方法だ。
■ 将来は?
食品に精通した人材の進路は、食品の分析・開発から流通・販売まで幅広い。
具体的には、食品・外食産業・化学品製造業・製薬業・官公庁(保健所分析センター・流通業(卸・小売)などが考えられる。さらに、農林水産省などに所属するいわゆる食品Gメンや、食品衛生監視員・食品衛生管理者・フードスペシャリストなどの資格を取得して活躍する道もある。大学によっては、取得単位数によって取得可能な場合と、受験資格が得られる場合があるのでしっかり調べておきたい。