生物の持つ可能性を探求したい。

■ どんな世界?
生物が持つさまざまな機能や能力を利用する技術の総称がバイオテクノロジー(生物工学)。環境問題解決に寄与する生物由来の代替エネルギー創出の上でも、遺伝子治療、ES細胞などの医療技術でも、今や人類の未来にとって不可欠な存在と言ってもいい。
伝統的に行われている味噌や酒、醤油の醸造も微生物の発酵作用によるものからバイオテクノロジーを利用したものであり、バイオテクノロジー=近年の技術というわけではない。それでも、近年の技術革新は目覚ましく、特に、ヒトゲノムの解読終了による、医療分野の伸張は驚くほどだ。
各種遺伝子技術、細胞融合技術、クローン技術に不可欠なベクター、さらには生命科学の解明の進展や免疫療法の臨床も進み、近い将来、バイオテクノロジーを利用した医療が主流になる可能性さえある。医療分野以外では、農業・食品・食料の分野、環境・エネルギーの分野で、研究と開発が進められつつある。
■ 何を学ぶ?
農業・食品・食料の分野では、伝統的な発酵食品以外に、遺伝子組み換え技術や病気に強い作物の開発、クローン牛などが代表的。昆虫の機能を利用した製品開発も農業分野に含まれる。成果としては食糧問題の解決のみならず、食の安全性や、健康面での応用が期待されている。
環境・エネルギーの分野では、まずはクリーンエネルギーの代表格とされるバイオ燃料。ただし、大豆やとうもろこしなどを原料にした石油代替エネルギーには、食品の高騰、森林の伐採など多くの問題をはらむが、最近は、藻を利用した技術、生ゴミを原料した技術など、真に環境にやさしいバイオ技術も実用化に向かっている。さらには、有用微生物や酵素の働きを水質浄化などに応用する技術の研究開発も行われている。
健康・医療の分野では、生物が持つ機能を健康維持や疾病の検査・治療に活かす技術を研究する。また、先端の医療分野では、まもなくヒトES細胞が実用化されるのではないかというレベルまで進捗をみせている。
いずれにしろ、バイオテクノロジーはその派手な見かけと違って地道な基礎研究の積み重ねであることも知っておきたい。
■ どう選ぶ?
理工系・農学系の学部でバイオ関連の学科を設置している大学が選択肢となる。「バイオ」「バイオテクノロジー」、また、「生命科学」「応用化学」「環境化学」をキーワードに探してほしい。将来の進路は、化学、食品、自動車、薬品など、あらゆる製造業および、研究職、さらには環境対策を専門にする自治体と、選択肢は大きく広がる。
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