高い機能をもった材料を開発して、世の中に貢献したい。

■ どんな学問?
現在の持ち運びが可能なノート型パソコンには、10数年前の超大型コンピュータに匹敵する処理能力が付与されている。このようなコンピュータの飛躍的な発展は、半導体などの新電子材料がなければ実現できなかっただろう。このことからもわかるように、材料は工学のベースとなるものだ。どのような製品も材料がなければ作ることはできないし、材料によって製品の品質までもが決定する。材料なくしてはどんな先端技術も形のない机上の空論に終わってしまう。近代科学技術の進展は材料の開発に大きく支えられている。
この材料について分析・開発していく学問が材料工学だ。具体的には、さまざまな材料の特質を物質の構造に基づいて解明し、より有用な製品を生み出すための新しい素材・材料を開発していく。また、最近では循環型社会の大転換を見据えて、環境への負荷がより少ない材料(エコ・マテリアル)の開発、無公害のクリーンな鋳造・加工技術の開発、省資源化の促進、リサイクルへの応用など地球環境問題解決のための研究にも力が注がれている。
■ 何を学ぶ?
材料工学は、材料の種類によって金属材料工学・有機材料工学・無機材料工学の3つに大別される。
金属材料工学の学問分野には、金属材料、鉄鋼材料をはじめ非鉄金属材料、複合材料などがあり、金属の性質・精錬・加工を中心に金属材料に関する理論および技術を学ぶ。有機材料工学では、炭素を主成分として酸素・水素・窒素などで構成されている材料について、固体物理などの物理系科目、合成化学などの化学系科目を基礎として、高分子物性、加工力学などの有機系科目を学ぶ。無機材料工学では、ファインセラミックスをはじめとした各種セラミックス材料を中心とした無機材料について、その合成・性質・応用などの研究を行う。
■ どう選ぶ?
材料工学系の学科では、金属工学科・有機材料工学科・無機材料工学科などというように3種類の材料のいずれかに対応した学科と、材料工学科・マテリアル工学科などといった材料全体をトータルに学ぶ学科がある。しかし、前者の学科は国立大学におかれるケースが多く、その数も少ない。材料をトータルに学ぶのであれば、「材料」や「マテリアル」を冠する学科を選ぶとよいだろう。また、新素材の研究については、物質の性質、素材特性といった観点からの研究を目的とする物理学系の学科や化学系の学科を選ぶこともできる。さらに、電子材料に興味があれば電子工学系の学科、ナノマテリアルに興味はあればナノサイエンス系の学科などというように、特にある分野の材料に興味があれば、その分野に重点を置く学科でも材料に関する研究を行っている。