携帯電話をさらに進化させたい。

■ どんな世界?
2009年の携帯電話の普及率は内閣府の調査で90.2%に上り、もはや日常生活には欠かせない道具になっている。その機能も通話やメールは当然として、多機能化がいっそう進み、静止画や動画を扱えるデジカメ機能や、GPS電波を受信できるナビゲーション機能、電子マネー機能を搭載した機種もある。テレビ電話も可能だし、移動体向けの地上波デジタル放送「ワンセグ」が始まって携帯電話でテレビも見られるようになった。もはや、「電話」というよりは「多機能携帯端末」と言った様相を呈している。また、操作面でもタッチパネルを採用したものや、視覚障害者向けの音声による操作ガイドを採用した機種が出るなど、多機能化、高機能化はますます進んでいる。
■ 将来は?
携帯電話の普及は既に1億台を超え、販売方式の変更や不況の長期化の影響もあって買い替えのサイクルも以前より長くなってしまった。また、日本の携帯電話はその独自仕様のため、「ガラパゴス」と称されるほど、海外での展開が遅れていた。そのため、新規の契約者は頭打ちであるとも言われている。しかし、成長著しい中国市場では価格が高くても高性能な日本の携帯機種が高い評価を得ており、今後大きな市場となる可能性を秘めている。さらには、独自仕様がこれから携帯電話に求められる機能に有利に働くこともあり、データ通信への特化や2台目の購入などでは、まだまだのびる余地がある。
というのも、総務省が目標に掲げるユビキタスネットワーク社会(場所・時間に制限されずにネットに接続できる社会)においては、一番身近な端末となりうる可能性があるのだ。例えば、高齢化を迎える社会では、24時間365日身近にあるという携帯電話の性質は、高齢者の安全管理にも役立つ。なお、これから急務となってくるのが、セキュリティ技術だ。携帯電話は、電話番号やメールアドレスなど個人情報の集積体だし、電子マネー機能を利用すればお財布だ。当然最新のセキュリティ技術が実装されているが、常に完璧なセキュリティはありえない。そのための技術開発が求められているのだ。
■ どう学ぶ?
携帯電話の技術的な研究開発をめざすなら、無線技術やデジタル情報の扱い方を専門的に追求できる通信工学や情報通信工学などに関連した研究室がベストだ。また、携帯電話のネット機能の充実を考えると、インターネットの技術に重点をおいた学部も考えられる。大学によって学部名は異なるので、理工系の大学の資料を参考にしてみるとよいだろう。
携帯電話に搭載されるソフトやアプリケーションの開発に携わりたいなら、情報工学系のプログラムやコンテンツ作りに関連した学科がいいだろう。自分の興味がどちらに近いかで、ハード面か、ソフト面かを判断するとよい。また、セキュリティの強化は今後ますます大事になってくる。その際には高度な数学理論も必要なことも覚えておくとよいだろう。