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広告・デザインに興味がある

商品の魅力を表現するスペシャリスト。

広告・デザインに興味がある

■ どんな背景?
「十年一昔」というが、広告業界も10年前とは様相がまったく違う。2000年。ITバブル直前だが、広告業界においてインターネットはまだ大きなうねりとはなっていなかった。
 楽天、サイバーエージェントなど、現在の「ネット界の雄」はすでに存在しており、ネット証券も産声をあげていたが、広告業はあいかわらずテレビ、新聞、雑誌のマス媒体中心の時代が続いていた。
 さらに10年前の1990年。バブル最頂点の頃、広告業界はこの世の春を謳歌し、CMプランナー、コピーライターがタレント並みにもてはやされた時代だ。広告主も広告予算は潤沢で、テレビCMの枠は、大広告主が買い占めていた。直後のバブル崩壊で一気に縮小し、その後は「失われた十年」とまことしやかに語られる経済低迷期を迎えるが、経済に最も敏感に反応すると言われる広告業界。当然ながら一気に需給のバランスが崩壊する。特に広告クリエイターは受難の時代を迎え、実力のない者は容赦なく淘汰された10年間でもあった。逆に一部のクリエイターには仕事が集中。しかし、業界としては「経済状況さえ回復すれば」という思惑があったのも事実だ。
 そんな甘い見込みを吹き飛ばしたのが直近の10年。もちろんインターネットの台頭が大きな要因だ。消費者の購買行動も変わり、メディアの価値も様変わりした。今後インターネットの勢いがさらに増していくことは容易に想像でき、その結果、広告代理店のメディアマージンビジネスが縮小していくということも想像に難くない。

■ これからどうなるの?
 広告メディアの雄、テレビがデジタル化・ネット化することにより、広告主が最重要視する広告効果測定が可能になると予想される。その結果、広告代理店の評価基準が明確になっていく。少子高齢化の進展も見逃せない。広告のターゲット戦略も確実に変化するということだ。
 広告代理店の役割も確実に変化していく。メディアプランニングまでも外部の専門プロダクションに委託するようになるかもしれない。クリエイティブ、プロモーション、プランニングのすべてが代理店内部では行われなくなる可能性があるということだ。総合広告代理店は、いわば総合商社的な役割を担うようになるだろう。
 細分化された業務を仕切り、コラボレーションを仕切るというのが代理店の役割。広告自体もネットがもたらす透明化により誇張表現などはまったく通じなくなる。クリエイティブのあり方も大きく変化するということだ。
 それは、広告の質が認知獲得型から顧客満足型に変わるということ。インパクトの強いビジュアル、興味をそそるキャッチコピー、いずれも広告には不可欠だが、それだけでは消費者の財布のヒモは緩まなくなっている。それは前述した「ネットがもたらした透明化」の結果だ。ある商品を買う前に、商品情報を検索したり、購入者のレビューをチェックしたことはないだろうか? 「企業に都合の良いメッセージ」や「消費者が知りたいことを意図的に隠す」広告(および表現)は、瞬間的に強く人をひきつけることはできても、商品の購入・信頼関係の構築に結びつきづらい。そういう意味で、広告は「顧客満足型」にシフトすると考えられる。

■ どんな仕事?
 広告を取り巻く世界は大きく変化する。ただし、広告そのものがめざしていること、すなわち、対象となる商品の魅力を最大限に表現し、伝えていくという役割は変わらない。広告は人々の生活と強く結びついており、人と人、人とモノをつなげるという役どころを担い続ける。
 しかし、効果測定が浸透すれば、スタッフの精鋭化は現在よりもさらに進み、高いレベルの実力主義になる。これはクリエイティブ部門にも言えること。アートディレクターやクリエイティブディレクターは、メディアの特性を今以上に強く意識し、ネットとのコラボ、広告効果を正確に把握した上でグラフィックデザイナー、コピーライター、イラストレーター、カメラマンなどに指示を出さないといけない。広告案を広告主にプレゼンテーションする際も、広告効果は厳密に問われることになる。
 デザイナー、イラストレーター、カメラマンなど、ビジュアルに関連するクリエイター達が、ウェブにも精通している必要があるのはもちろんだ。
 しかし、あくまで広告で大切なのは消費者に伝えること。この本質は変わらない。ネットとのコラボなどというと、本質を忘れギミック(仕掛け・技巧)に走りがちだが、それだけでは何も伝わらない。
 ただし広告物ができるまでのステップは現在と大きくは変わらないはずだ。どんな時代になってもデザイナーやイラストレーターに最も要求されるのは、商品の特性を把握し、それをどう人に伝えていくか。そのための表現力、さらに社会のニーズに敏感に対処できる広い視野と対応力だ。

■ どう選ぶ?
 デザインを中心に学ぶなら、芸術系学科やデザイン系学科。グラフィックデザイン専攻・コースなどを設けている大学・専門学校も候補だろう。
 いずれの場合も実習に加えて、実践で使える能力を養うための理論的なバックアップがポイントだ。ただし、広告は芸術ではなく、クリエイター個人の作品でもない。作品だとすればそれは広告主も含めたチームとしての作品であることを忘れてはならない。
 広告は情報伝達のひとつのカタチに過ぎない。一方、情報伝達という面から広告を学びたいなら、情報系学部の文化情報学科、広報学科なども選択肢のひとつ。しかし、現代は社会科学すべてが広告に関わっているともいえるので、学部・学科よりもカリキュラムの内容にこだわるべきだろう。

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