英語のスペシャリストになりたい。

■ どんな現状?
英語を母国語としている人の数はおよそ3億8千万人といわれ、中国語を母国語とする約9億人に比べると半数にも満たない。しかし、中国語が主に中国国内や中国人社会だけで通用しているのに対して、英語を第二言語として用いる人口が約6億人に上っている。
英語を話したり、理解したりする人口を考えると、地球規模で話されている最大の言語といえる。まさしく、英語は国際的なコミュニケーションの場における世界の共通語なのだ。
わが国においても、国際化が進む今日、英語教育は重視される傾向にある。
私立の中学校や高校では、英語の授業数を増やし、外国人教師による英会話の時間を設けたりするところも数多い。
一方、公立高校でも、国際科を設けて英語教育を充実させたり、積極的に帰国子女を受け入れたり、また外国の学校と姉妹校提携をする学校が現れてきた。英語学習の場は、今では学校教育の枠を越えて各種の学習塾や英会話教室などへと広がっており、幼児から社会人まで英語を学ぶ人たちが増えている。
■ 何を学ぶ?
大学の英語系の学科では、「英語学」「英米文学」「英米地域研究」が勉学の三本柱になっているケースが一般的だ。このうち最も重視されるのは当然「英語学」。1年次からコミュニケーション・スキルを身につけるために、ネイティブの教員などによる実践的な授業によって、読む・聴く・話す・書く、といった四技能を習得する。こうしたトレーニングと同時に、英語の歴史、文法、意味論などの理論的分野を学び、英語の特質をも理解していく。
一方、「英米文学」は、イギリスやアメリカの文学論・文学史といった基本科目のほか、英米の代表的な文学作品を原書で読み、作家・作品研究に取り組む。「英米地域研究」では、イギリス、アメリカはもちろんカナダやオーストラリアなどを含めた英語圏の国々の文化や歴史、社会、民族などについて学ぶ。
コミュニケーション能力を磨くためには、スキルだけでなく、その国に対する深い教養・理解が必要となるため、英米文学や英米地域研究という分野も重視されているのが、大学での英語教育だ。
また、高学年次のゼミナールでは、英米の語学、文学、文化など幅広いジャンルにわたるテーマが設定され、学生の興味・関心に応じてテーマを選択できる。漠然と英語を学びたい、という段階を越えて、なぜ英語を学びたいのか、英語を使って何をしたいのかをじっくりと考え、自分の進む方向を選択してほしい。
なお、英語のコミュニケーション能力を身につけるには、大学の授業だけではなく、外国人留学生と深く交流したり、衛星放送でアメリカのニュースを見たり、英字新聞を読んだりと、日常生活の中にできるだけ英語を取り入れることが大切であることを知っておいてほしい。
■ どう選ぶ?
英語を専門的に学ぶなら、文学部や外国語学部、国際文化系の学部などに設けられている、英語学系の学科や専修がベストといえる。
英語学科をはじめ英米語学科、英語コミュニケーション学科など名称はさまざまだが、こうした学科・専修では実践的なコミュニケーション力を身につけることに力を入れている。
チェックポイントとしては、少人数教育の実践的スキル養成重視のカリキュラム、短期語学研修プログラムを含む留学制度の充実ぶりやその留学支援体制、ネイティブ教員などの教授陣容、TOEICやTOEFLなどの対策講座、LL教室などの施設・設備、などが挙げられる。それぞれの目標に応じて、これらをチェックしておきたい。
さらに、英米文学や英米地域研究の分野では、イギリス文学に強い、アメリカの政治・経済の研究が進んでいるなど、各大学によって特色があるので、教育内容やゼミのテーマなどをよく調べておくことが大切だ。
また、ほとんどの大学では、ビジネス系の学部・学科などを中心に、実践的な英語能力の教育を重視している。
経済学や経営学などの専門分野を学びつつ、英語能力を磨きたいなら、英語関連カリキュラムをあわせて調べるとよいだろう。
■ 資格は?
英語の資格としてはまず、日本国内でもっとも一般的な「実用英語技能検定」がある。略称「英検」と呼ばれ、年間で約250万人が受験する。大学入試で検定合格者を優遇する大学もあり、また入学後も合格級に応じて履修単位として認定する大学も少なくない。
国際的に英語能力を証明する試験としては、世界約90か国で実施されている「TOEIC(Test of English for International Com-munication / 国際コミュニケーション英語能力テスト)」がある。英語の技能を証明する試験としては、もっとも世界的なものである。
また、非英語圏出身者がアメリカ合衆国とカナダへの留学に際して、英語能力を証明する試験として「TOEFL(Test of English as a Foreign Language)」がある。米国・カナダへの留学志望者には必須の試験であり、留学に際して一定以上のスコアが要求される。
このほか、英語の資格にはさまざまなものがあるが、以上の3つが代表的な資格だ。