スポーツを通して夢や感動を与えたい。

■ どんな学問?
筋書きのないドラマと言われることのあるスポーツ。人々に大きな感動を与える一方、取り巻くビジネスとしての側面も無視できない。テレビなどの放映権料、選手のウェアや用具の契約料、CM出演料など、注目度が高い競技や選手であればあるほど、その金額も時には膨大なものになる。
Jリーグの大分トリニータがナビスコ杯で初タイトルを獲得したときは、その経済効果を含めて町興しの側面も語られるなど、スポーツを取り巻くビジネスの規模は非常に大きくなっている。
スポーツビジネスの理念は、「良質のスポーツエンターテインメントを創造する」ことだ。具体的なビジネスとしては、競技場を作る、球団を招致する、競技団体やリーグやチームを運営する、興行を行う、さらにテレビなどのメディアと組んでマスコミ展開をする、などが大規模な例。それよりももっと身近な所では、町のスポーツジムや子供を対象とするスポーツスクールを経営する、といったことがある。また、スポーツ用品メーカーの製造・販売なども。規模は大小あれども、魅力的なスポーツエンターテインメントを作り出すこれらのビジネスは、人々に夢や感動を与える仕事と言えるだろう。
しかし、日本のスポーツビジネスは欧米と比べて「活発ではない」「遅れている」という声が強い。例えば、プロ選手の代理人ビジネスも欧米のようには浸透していない。芸能プロダクション等に所属し、マネジメントを任せる選手が増えてきたが、単なる報酬交渉だけではなく、肖像権はもちろん移動の時の飛行機の席など、いろいろなことを取り決めていく。
このため、分厚い契約書の細部までモレがないかをチェックする必要がある。日本にはまだ安心して任せられる専門家が少ないし、その環境も整っていないのだ。日本でスポーツビジネスが学問の対象として取り上げられるようになって、まだ日が浅い。しかし、スポーツビジネスを学問としてとらえ、独自の研究に取り組む大学は近年、確実に増えつつある。
■ どこで学ぶ?
「スポーツビジネスを学ぶ」ということは、「スポーツを経済や経営の視点で学ぶ」ということだ。
そこで、大学では、スポーツにおける資源(人・モノ・金・情報)の活用や、マーケティング、プロデュースなどを勉強する。
まだ新しい分野であるだけに、学部や学科の名称はさまざまだ、社会学部に「スポーツ社会学科」を、経済学部のビジネス戦略学科に「スポーツマネジメントコース」を、スポーツ科学部のスポーツ文化学科に「スポーツビジネスコース」を設ける大学もある。大学によって所属学部も学問内容も異なるので、よく調べてしっかり確認しておくことが大切だ。