幅広い学問を学び、自由人としての教養を身につける。

■ どんな学問?
学問とは、特定の分野を体系化した知識のこと。大学で学ぶ学問は人文科学系、社会科学系、自然科学系に大別されることが多いが、この分類に当てはまらない学部・学科もある。その1つが、ここで紹介する「リベラルアーツ」だ。
リベラルアーツの起源は、古代ギリシアにまで遡る。あらゆる学問が「哲学」の一分野と考えられており、その予備学(=教養)として文芸・幾何学などの学習が必要とされたのだ。その後リベラルアーツは、文法、修辞学、論理学、算術、幾何学、音楽、天文学の7つの科目と定義され、中世のヨーロッパの大学では「人を自由にする学問」として公式に定められた。
■ どう学ぶ?
この伝統を受け継ぎ発展してきたのが、アメリカのリベラルアーツ・カレッジだ。1636年開設のハーバード大学に始まるリベラルアーツ・カレッジの目的は、聖職者や教育者、法律家、政治家など社会のリーダーを育てることにあった。
そのため、狭い学問の範囲を超えた広い視野・見識を身につけることが重視されたのだ。この考え方は現在のリベラルアーツカレッジでも基礎になっており、人文科学、社会科学、自然科学の基礎的なコースが学びのコアになっている。
加えて海外の多くのリベラルアーツ・カレッジは、全寮制で少人数教育を重視しており、教師と学生の密接なコミュニケーションが可能。一方的な講義で学生に知識を伝達するのではなく、コミュ二ケーションを通して問題解決のためのスキルを身につけるための教育が実践されている。
では、日本の状況はどうだろうか。
戦前の旧制高等学校、戦後の4年制大学では、リベラルアーツは一般教養と見なされ、専門教育に比べてやや低く見られる傾向にあった。だが現在、「国際人」「社会人としての教養」「人間力」などの観点から全人教育としてのリベラルアーツの重要性が見直され、教養学部、国際教養学部、リベラルアーツ学部など、幅広い学びを可能にする学部・学科が増えてきている。
こうした学部・学科の特徴は、自由度の高い学問選択ができること。人文科学、社会科学、自然科学、学際・総合科学を網羅する幅広い科目が用意され、その中から自分の専門分野を絞り、深めていけるよう配慮されている。
また、入学後に専攻を決められる、主専攻・副専攻という2つの専攻を同時に履修できる、必修科目が少なくカリキュラムの自由度が高い、海外留学やインターンシップがカリキュラムに組み入れられているなど、大学・学部によってさまざまな学び方が用意されている。志望する際には、設置コース・専攻の概要を十分に理解し、「自分はどう学びたいか」を明確にしたうえで比較・検討することが大切だろう。