介護福祉士になりたい。

■ どんな現状?
厚生労働省の調べによると、2007年の日本人の平均寿命は、男性が79.19歳(対前年度比+0.19)でアイスランド・香港に次ぐ世界第3位、女性が85.99歳(同+0.18)で23年連続世界第1位となっている。
男女ともに前年を上回り、過去最長を更新した。また、今の0歳児が90歳まで生き延びる確率を試算すると、男性が21.0%、女性は44.5%だった。これらデータからも分かるように、日本は世界に例をみないスピードで高齢化が加速している。
高齢化が進むということは、医療・介護・福祉などのニーズが大きくなることを意味している。しかしながら、マスコミにも大きく取り上げられているように日本の医療や介護の現実は必ずしも充実しているとは言いがたい。
今後は医療や介護・福祉を充実させることが、ますます重要な課題となってくるだろう。介護福祉に関する政府の取り組みとしては、1987年に『社会福祉士及び介護福祉士法』を制定し、介護福祉士が国家資格として認定された。2000年には介護保険制度がスタート。さらに、2007年には介護福祉士法の改正法も施行された。
■ 最新事情は?
介護の現状をみると、核家族化や少子化を背景に、高齢者が家庭で介護を受けることは年々難しくなっている。これを反映して、老人ホームなどの専門施設での介護や、独居老人などの在宅介護に対するニーズは高まる一方だ。
さらに、高齢者だけでなく、心身障害者や心身障害児などに対する介護に従事する人が求められている。
現在、介護福祉士は63万8520人(2007年7月末登録数)を数えているが、介護の現場ではまだまだ人手不足という状況で、2008年にはインドネシアやフィリピンから介護福祉士候補生を受け入れる制度もスタートした。
このように、介護福祉士をはじめとする介護職への社会的な期待は大きく、活躍の場は今後ますます増えていくことは間違いない。
■ 介護福祉士の仕事
介護職の代表的な資格といえば「介護福祉士」だ。介護福祉士とは、別名ケアワーカーと呼ばれ、身体や精神の障害があることにより日常生活で何らかの援助を必要とする人のために支援する専門職のこと。
2007年の法改正によって、「心身の状況に応じた介護等を行う」と仕事の内容が見直され、高齢者や身体障害者の生活全体をサポートする役割を担っている。
つまり、入浴、排泄、食事、衣服の着脱、洗顔、移動(歩行や車椅子など)といった、本人への介護に加えて、日常生活の家事全般(炊事・洗濯・掃除・買い物など)、さらには本人やその家族からの相談に応えたり、近隣住民との意志疎通なども大切な仕事なのだ。
介護福祉士の活躍の場としては、大きく分けて老人ホームや身体障害者施設などの施設サービスと、地域の社会福祉協議会に登録したり、民間の福祉サービス会社に就職して、そこから派遣されて高齢者や身体障害者をサポートする在宅サービスもある。このほか、病院やリハビリセンターなどの医療施設で働くケースもある。
■ その他の介護職
介護福祉士のほかに、介護保険において要支援・要介護と認定された人に対してケアプランを作成する「介護支援専門員(ケアマネジャー)」や、在宅で生活している要介護者の自宅に通って援助する「訪問介護員(ホームヘルパー)」などがある。また、介護関連職として、福祉の手助けが必要な人に支援や相談を行う「社会福祉士」、精神障害者の社会復帰のためにアドバイスを行う「精神保健福祉士」、障害者を手助けする「言語聴覚士・視能訓練士」などさまざまな資格がある
■ どう選ぶ?
まず、注意しておきたいのは、介護福祉士法の法改正により、介護福祉士の国家資格の取得方法が見直されたことだ。
現在は「養成施設を2年以上(1650時間)修了した者には国家試験なし」で資格が与えられているが、法改正によって「養成施設2年以上(1800時間程度)に加えて国家試験の受験」が要件とされ、合格者のみに資格が与えられることになった。
この見直し案は、2013年1月試験から実施予定となっている。すなわち、4年制大学の場合は、卒業時には国家試験受験が必要となるわけだ。
また、2年制の養成施設の場合は、2011年度入学者から国家試験受験が必要となる。ただし、養成施設卒業者は、国家試験に合格しなくとも、当分の間は「准介護福祉士」の名称を用いることができるとされている。
従来から介護職育成に取り組んできた学部・学科であれば、まず問題ないと予想されるか、大学選びの段階では念のためチェックしておこう。社会福祉学科や人間福祉学科など「福祉」を関する学科や、わかりやすく「介護」という言葉を使っている学科やコースもある。こうした学科に注目して、取得資格を確認した上で学科選びをするとよいだろう。
介護福祉士にこだわらず、広く福祉や介護に目を向けるなら、自分はどんな仕事がしたいのかを考え、どのような資格が必要かを調べ、それに応じた学科を選ぶことが重要だ。 ボランティアとして興味のある分野の施設を訪れ、そこに働く人に直接話を聞いて、どのように学んだか、どこで学んだかを聞いてみるのも大いに役立つだろう。
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