コミュニケーションに障害のある人の力になりたい。

●どんな仕事?
人間の社会生活は、ことばによるコミュニケーションによって成り立っている部分がかなりのウエートを占めている。ことばを用いるコミュニケーションでは、発声・発音・聴覚・認知・言語といったそれぞれの機能が密接に関連しているが、発達上の問題や病気、さらには事故などによってそうした重要な機能が損なわれ、障害を負ってしまう場合がある。
例えば、脳卒中後にみられるように、脳に障害をもったために聴く・話す・読む・書く・計算するといった営みが困難となる失語症や、聞こえの障害によってことばの発達が遅れ、あるいは発音が不明瞭になる聴覚障害、さらには、構音障害や吃音、高次脳機能障害などが挙げられる。また、摂食や高齢化で食べ物を飲み込むことができない嚥下(えんか)障害も含まれる。
現在、こうした言語や聴覚に障害をもつ人は100万人以上いると言われている。
言語聴覚士は、そうしたコミュニケーションに障害をもつ人に対して、医(歯科医)師の指示の下、看護師、理学療法士や作業療法士、介護福祉士らと協力しながら、専門的な知識と技術を生かして、評価や検査、訓練や指導などを行うリハビリテーションの専門家だ。言語や聴覚が思うようにならない人を相手にするので、人間への理解と関心を持って接する必要がある。コミュニケーションの回復は人間性の回復の意味も含まれているだけに、それだけ重要な役割を担っている職種といえるだろう。
●どう学ぶ?
言語聴覚士になるには、国が指定する学校・養成所で知識と技能を習得して受験資格を得て、国家試験に合格し、厚生労働大臣からの免許を受ける必要がある。言語聴覚士となる教育課程では、心理学、言語学、音響学などの基礎知識を学んだうえで、リハビリテーション、失語・高次脳機能障害学、言語発達障害学、発声発語・嚥下障害学、聴覚障害学といった専門科目を履修する。
●どう選ぶ?
高等学校を卒業後に、国で指定された必要な科目が履修可能な大学(4年制大学・3年制短期大学)で学ぶか、言語聴覚士の養成校(3年ないし4年生の専修学校)で学んで国家試験の受験資格を得る道がある。2007年度の国家試験は、受験者2,323名、合格者1,266名、合格率54.5%であった。
大卒であれば、養成校で2年以上学んで受験資格を得る道もある。言語聴覚士をはじめ、福祉関係の資格取得のための体系的カリキュラムを充実させている大学もあるので、「福祉」「保健」「医療」などをキーワードにチェックしてみてもよいだろう。