未来を創る最先端技術が知りたい。

●どんな世界?
ナノは10億分の1を意味する言葉で、一般にナノテクノロジーとは、ナノメートルのスケールで物質を自由に制御する技術のことを意味している。1mの1,000分の1が1mm(ミリメートル)、その1,000分の1が1μm(マイクロメートル)、そのさらに1,000分の1が1nm(ナノメートル)だ。地球の直径を1mとすると、ビー玉直径がちょうど1nmに相当するから、その微少さがわかる。現実の物質では、分子やDNAの大きさがナノメートルのスケールにあたる。
炭素原子からなるダイヤモンドとグラファイトは、原子配列が異なるために性質が大きく異なる。つまり、ナノテクノロジーがあれば、物質の性質を自由にコントロールできるということになる。
具体的には、従来の部品をどんどん小さくしてナノメートルのスケールまで持っていく技術(トップダウン法)と、ナノスケールの分子や原子の配列を意図的に作り出すことで、新しい性質をもった物資を生み出す技術(ボトムアップ法)の2つがある。
トップダウン法の場合、ナノメートルサイズの部品は、機械的な切削加工が不可能になるため、光を使うなど新たな加工技術が必要になる。また、このスケールにおける流体(空気も含む)中の運動は、慣性よりも粘性の方が大きく影響するため、通常とは異なる作動原理を持つ部品が要求される。ボトムアップ法で作った新しい物質の代表は、カーボンナノチューブだろう。炭素原子を円筒状に結合させた物質で、鋼鉄の20倍もの強度を持ちながらアルミニウムの半分の軽さしかなく、しかも、直径や配列などによって、電気特性も変化するため、半導体などの素材としても注目されている。
●現状は?
ナノテクの領域は、現在、世界中の研究者が新技術を競い合っているフィールドだ。日本においても、第3期科学技術基本計画(2006〜2010年)において、「ライフサイエンス」「情報通信」「環境」と並んで、「ナノテクノロジー・材料」が重点推進4分野にあげられており、国家レベルで研究開発資金が投入される。もっともホットな研究開発分野といっていいだろう。
●どう学ぶ?
研究費を獲得できる先端領域だけに、多くの学問系統で学べるが、基礎研究なら、理工系学部の物理学科や化学科が最適だろう。応用研究は、生物からIT、環境、材料、エネルギーなど多岐にわたるので、幅広いリサーチが必要になるだろう。
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