ゲームで世界中の人を楽しませたい。

●どんな世界?
コンピュータゲームは、コンピュータの発達とともに歩調を合わせ進化してきたと言っていい。日本では、1970年代に登場したテレビゲームが、今日のコンピュータゲームの出発点だと言われている。そもそもコンピュータゲームの役割は、コンピュータのハード普及のための垣根の低い入門ツールとしての意味合いが大きかったようだ。
その後、独立したコンテンツとして飛躍的に進化したコンピュータゲームは、今日ではマルチメディア・エンターテインメントとして確固たる地位を築きあげ、世界的に巨大な市場を形成するに到っているのはご存じのとおり。世界に向けて発信できる日本文化のなかで、もっとも人気があるコンテンツであり、そして競争力を備えた商品でもある。コンピュータゲームの世界は、国境を越えて国際的に活躍できる場であるといえるだろう。
汎用の家庭用コンピュータゲームに限っていえば、シェアを国際市場で争っているのは、発売順にマイクロソフト社のXbox 360、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が開発したプレイステーション3、任天堂のWii。いずれも複数のゲーム機(とプレイヤー)をLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)やインターネットでつないで楽しむことも可能で、単なるゲーム機というより、すでに通信メディアという趣である。Web2.0の考え方を最も色濃く反映し、先駆者的な役割を担っているのは、実はコンピュータゲームなのかもしれない。
人気という意味では、一番後発のWiiの独走状態になりつつあるが、これはWiiリモコンなど、他にはないゲームスタイルによるところが大きい。しかし、このままライバル他者がWii任天堂の寡占化を許すわけがなく、技術革新はまだまだ期待できる。また、携帯型ゲーム機でも、任天堂のニンテンドーDS Liteが、SCEのプレイステーション・ポータブル(PSP)に差をつけ始めている。ゲーム機のシェア争いは、トップシェアの勝ち組が2位以下を大きく引き離す傾向にあるが、これは、ハードの勝ち組に乗るソフトメーカーの経済的な理由が大きい。これがソフトの充実を呼び込み、さらにそのソフトのおかげでハードが売れるという好循環を形成している。
●最新事情は?
コンピュータゲームの世界にもさまざまなジャンルがあるが、ここでは「初音ミク」をとりあげてみよう。厳密にいうとゲームソフトではなく、DTM(デスク・トップ・ミュージック)ソフトに分類されるべきものだが、初音ミク(クリプトン・フューチャー・メディア発売)はその枠を飛び越え、まさにゲーム的に大流行している。ユーザーが作詞・作曲した歌を、16歳の“初音ミク(ソフトウェアに与えられた仮想キャラクター)”が歌いあげ、その楽曲はネットを介して、CGや動画編集技術のスキルを持った人にわたる。彼らは初音ミクのイメージに沿った画像・3DCGを楽曲に付加し、結果的に、初音ミクのプロモーションビデオが連日のように誕生しているのだ。この状況は、傍から見るとまるでゲームを楽しんでいるかのように見える。それら、1ユーザーが楽しみながら生み出した楽曲が、カラオケ配信や着メロ販売……つまりメディアミックスを生みだしている点も注目だ。
もうひとつ、ゲームというより、シミュレーションに近い、「セカンドライフ」にも触れておかねばならないだろう。自分で設定したアバターというキャラクターが、無限に広がるバーチャルワールドで活躍する。物品の売買などの経済活動も行われ、通貨は現実通貨に換金可能という、まさにもうひとつの世界。現実の世界で叶わなかった夢を実現するセカンドライフでもある。この3Dワールドで不動産を持ったり、資産を運用できたり、企業の求人活動が行われている場合さえある。
多くの企業、大学までも参画しはじめたセカンドライフの充実は、コンピュータゲームなどで馴染んだ操作感や、画面を通して情報をやりとりするスキルが、いかに応用範囲が広いものかを如実に語っている。
●どう学ぶ?
コンピュータゲームの世界は、理工系と芸術系が融合している分野である。コンピュータのハードウェアについての基礎的な知識や技術を学ぶとともに、グラフィックデザインやアニメーション等についても高水準の技量を習得する必要がある。また、メディア関連全般やプロデュース、シナリオやサウンドについての知識も重要だ。
大きく分けて、理工系からゲームの世界へアプローチしていく方向と、芸術系からアプローチしていく方向があるが、いずれにせよ、最先端の複合分野であるために、幅広い知識と応用力を供えた技術を身につけていくことになる。
●資格は?
コンピュータグラフィックスに関する知識と技術を評価する「CG検定」をはじめ、「画像処理検定」「マルチメディア検定」といった検定試験がある。ゲームの世界だけではなく、コンピュータ関連では技量をアピールする基準になっている試験だ。
●どう選ぶ?
大学では、理工学系のなかでメディア関連やデザイン関連、環境情報関連の学科を調べてみよう。芸術系の学部・学科でも、メディアやゲームに焦点を絞ったところがあり、基礎から応用までコンピュータゲームの世界を中心に体系的に学ぶことができる。文学部・人文学部などで文学や演劇を学ぶのも、ひとつの方向。業界での即戦力を身につけたいのなら、専門学校も選択肢になるだろう。
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