インターネットをビジネスに活用したい。

●どんな世界?
IT(情報通信技術)の発達は、人間の生活を大きく変えてきた。とくにインターネットにおけるウェブ技術の進歩とブロードバンドによる情報量の増大、それに伴ってひきおこされたいわゆる「Web2.0」と呼ばれる、誰もが情報の発信者となり、個人と企業が対等な立場で水平に結びつく時代の到来は、ビジネスの世界にも革命的な変化をもたらしつつある。企業活動は、なお一層のスピード化が求められ、マーケティングをはじめ経営のあり方自体も見直されていく、インターネットの存在抜きではビジネスを考えることすらできなくなる日が来るかもしれない。
ITの発達によって、ヒト・モノ・カネが動く時間的・空間的な制約が大幅に縮減された。たとえば、テレビ会議や携帯電話は場所に縛られることから人間を解放し、ネットショッピングは店舗を持たなくても(つまり高額の開設資金がなくても)さまざまな商売を行うことを可能にし、ネットでの株取引やネットバンキングはカネの流通を加速させた。
企業は、インターネット上に自社のウェブサイトを開くことで、最新の商品やサービスの内容をリアルタイムで詳しく伝えることもできる。また、顧客から発信された意見や苦情(クレーム)をデータベースとして蓄積していけば、問題点を改善するのに役立つだけではなく、将来の商品開発や新たなサービスの展開へ向けた資源ともなる。また、ITの活用で膨大な情報を一元管理できるようになれば、経営効率が飛躍的に向上するだけでなく、さまざまな情報をネット上で共有する「ナレッジマネジメント(知識管理)=KM」も可能となり、ビジネスの強力な武器ともなる。
●ネットビジネス?
インターネットの普及によってもっとも変化したメディアのひとつが、広告メディアだ。現在、新聞やテレビを見ない日があっても、ネットに接続しない日はない、という生活を送る人たちが増えている。
それに伴い、ほとんどの企業では、広告やキャンペーンなど、インターネットを活用して消費者をひきつけることに力を入れている。ホームページを使った広告やネット上での販売システムの企画・提案・制作といったビジネスへのニーズも急増している。当然、情報セキュリティへの対策も重要になっている。セキュリティ分野のビジネスでも裾野が急速に広がっている。
基本的なビジネスモデルも大きく変わった。たとえば、B to B (Business to Business = 企業対企業)という企業間取引がこれまでビジネスのもっとも基礎的骨格だったのに対し、インターネットの普及によって、B to C (Business to Consumer =企業対消費者)という企業・消費者間の取引、すなわち、企業が消費者に直接、モノやサービスを得るビジネスが大きな位置を占めるようになった。さらに、ネット利用の拡大は、C to C (Consumer to Consumer)といった、消費者間取引の増大といった状況も生み出しつつある。株式のネットトレーディングやオンラインバンキングを含め、こうしたネット上で契約や決済などを行う取引を「eコマース(電子商取引)」と呼ぶ。その需要は高まる一方で、さまざまな企業や業種、そして個人が、eコマースの世界に参入し続けている。
B to C の代表格のひとつが、先にも触れた、ネット上に商店を開設し、消費者に直接デジタルコンテンツなどのモノやサービスを売る電子商店である。いまやオンラインショップで買えないものはない、という状況だ。また、多数の電子商店を集めた電子商店街はビジネスモデルとして完成している。また、B to B の拡大は、これまでひとつの企業が自社の内部で行ってきた業務のいくつかを、インターネットの活用によって外部の企業等に依頼するアウトソーシングを増大させつつある。
C to C の代表が、ネットオークションだ。オークションの場を提供して手数料で収益をあげるビジネスも伸びている。
●最新事情は?
いま注目を浴びているのは、Googleがウェブサイトの運営者に提供している「アドセンス(AdSense)」というビジネスサービスである。サイトの運営者は、Googleが配信するウェブ広告を自身のウェブページに掲載し、その広告のクリック数に応じて広告料がサイト運営者に支払われる、というしくみだ。広告は、サイトの内容を解析し、関連のあるものが自動的に配信されるため、サイトを見た閲覧者の趣味などに合ったものになる。広告スポンサーとサイト運営者の双方にとって効率的で利益となるビジネスモデルである。
●どう選ぶ?
現在、経営学や商学を学ぶうえでITに関する知識は必須のものとなっている。経営学・商学系の学部・学科では、先に触れたKM(知識管理)など情報関連の科目を大幅にカリキュラムに組み込み、ITを利用するビジネスでの実践力養成を重視する大学がほとんどだ。文系の学部・学科であれば、「情報」「メディア」をキーワードに調べてほしい。また、理工系の学部・学科でも、経営工学科等の学科でITビジネスを学ぶことが可能だ。
グローバル・メディア学科の場合
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