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自動車に興味がある

レーシングマシンや環境にやさしい車を開発したい。

自動車に興味がある

●どんな世界?
 自動車は、実用化されて百年以上経つが、現在も進化を続けている。実現までに時間を要するといわれていた、超低燃費化や排気ガスのクリーン化などの技術は、厳しいハードルを次々と乗り越えて進展し、商品となって世に送り出されてきた。ガソリンで走る、という基本的な仕組みすら変わろうとしており、すでに、トヨタやホンダなど国内の企業では、従来のエンジンと2次電池の両方を装備したハイブリッドカーを販売している。燃料電池自動車や電気自動車、水素自動車、ソーラーカーなども、実用化が間近と言われている。
 また、前の車との距離を関知して自動的にスピードを調節する技術や、様々な位置情報を瞬時に分析して自動的に運転する技術なども実用段階に入っている。
 こうした技術進化を支えているのは、機械そのものの技術だけでなく、コンピュータ技術や、電気工学、新素材の技術など、工学の実に幅広い分野を総合した、複合的な研究開発体制だ。

●何を学ぶ?
 自動車技術のベースとなっているのは機械工学だ。その学問分野は、力学、熱力学、機械力学、流体力学、材料力学、制御工学の6つの力学を基礎としている。機械の基本的なメカニズムから設計・製図・検査・品質管理までを網羅するだけではなく、人間にとって有用な新しい機械・装置の研究・開発までを行う幅広い学問でもある。そのため、自動車について大学で研究したいなら、「機械工学」系の学科が主舞台となる。
 実際に自動車の開発や設計に関わってくるのは、次の5つの領域だ。
(1)材料について=安全で高精度の機械を作るための材料を開発したり、新しい材料を機械にどのように使うのかを研究する。対応する専門科目としては、材料力学・弾性力学・冶金学・金属材料力学・高分子工学などがある。
(2)運動・制御について=自動車の運動性能に関わる基本的な理論について研究する。具体的には、力・加速度・速度・抵抗等の運動力学だ。運動力学や構造力学など、力学系の学問は自動車設計には不可欠な、重要な基礎となっている。
(3)熱力学について=自動車の心臓は言うまでもなくエンジン。仕組みは熱エネルギーを力学的なエネルギーの変えるというものであり、その基礎理論が熱力学になる。具体的には内燃機関やタービンの研究をするのだが、より高出力、低燃費(高熱効率)、低公害のエンジンのシステムの開発が求められている。
(4)加工について=自動車の生産には、部品や本体を組み立てるための工作機械が必要だ。その工作機械を設計・開発したり、より高性能で高能率な加工をするための研究が必要とされている。そのために学ばなければならない専門科目には、鋳造工学・溶接工学・塑性力学・切削工学などがある。
(5)流体力学について=水や空気の流れを機械的にどのように利用したらよいかを研究する学問だ。自動車には「流れ」の理論がとても深く関わっている。専門科目には、流体力学・粘性流体力学などがある。
 新しい自動車の開発にはこのような基本的な機械工学のほかに、さまざまな関連領域の研究も必要だ。とくに重要なのが、電子工学やソフトウェア工学。現代の自動車は、エンジン制御やサスペンションのほか、様々な機械の制御にコンピュータテクノロジーが駆使されているからだ。大学では、機械工学や電子工学、その他に及ぶ、各専門分野の理論や技術を基礎から学んでいく。

●どう選ぶ?
 機械工学系の学科には、機械工学全般にわたって学ぶ学科と、機械の種類別に焦点を絞っていく学科がある。機械工学全般にわたって学ぶ学科では、ほとんどの場合、自動車に関する研究室が設けられている。また最近の機械工学系の学科の中には、自動車システム開発工学科など、自動車の研究・開発に専門的に取り組むカリキュラムを設ける学科も誕生している。
 また、機械の種類別に研究していく学科では、交通機械工学科などが自動車や鉄道車両などに重点を置いた研究を行っている。逆に、生産機械工学科・産業機械工学科などの学科では、同じ機械工学系でも自動車研究を主体にしてない場合もある。
 「全日本学生フォーミュラ大会」への参加を積極的に行っているかどうかもチェックポイントになる。この大会は、学生たちがチームを組んで企画・設計・製作したフォーミュラタイプの小型レーシングカーの出来を競うもの。車の走行性能だけでなく、車両の設計コンセプトやコスト審査など自動車を作るための総合的な力を試すことのできる最良の機会である。

●資格は?
 自動車工学コースなどを設置している大学や短大のなかには、所定の単位を取得すると、卒業時に国家資格の2級自動車整備士の受験資格を得られることを特色としているところもある。
 自動車整備士は、3級から1級まであるが、一般試験で取得するには難しい資格だ。自動車の開発・設計だけではなく、自動車の整備やチューンナップでも一流をめざしたい人は、ぜひ資格取得も将来の計画に入れておきたい。

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