最近、大学における研究費や学費に関する話題が多く報道されている。低迷する経済状況と、高等する教育費の問題が、高校生や大学生を持つ親を直撃していると考えられるが、教員に対する研究費補助や、学生・院生に対する奨学金付与にも限界がある。
また、文部科学省および日本学術振興会が交付する科学研究費補助金(科研費)も研究全般を賄うことが難しいという実情になっている。
結局、これらは大学の財務体質の問題であり、財務基盤のしっかりした大学でなければ結果的に国際的な競争力も高められない。
そうした時代を背景に、今、大学において財務状況を積極的に変えていこうとする動きが活発化している。とりわけ、独立法人化した国立大学では、肥大化した研究組織の維持や、補助金依存からの脱却をはかり、財界・企業をバックとした寄付金・寄付講座、委託研究の誘致に積極的に取り組み、中には東京大学のように、三菱東京UFJ銀行やトヨタ自動車などから基金を募り、海外留学生支援に活用する大学も出てきている。
自由性の研究開発を中心とした産学協同体制から、大学の財務基盤の強化をめざす産学協同体制ができつつあり、この関係が大学にとって新たな展開に結びつくことが予測される。