大学の教育内容に国の思惑
2008年1月、文部科学省は日本学術会議に大学の学部教育について59年ぶりに審議依頼を行った。大学の教育内容は、原則として各大学の自主性と自律的な裁量に任されているが、今回、学部教育で学生が身につけるべき知識や技量などの教育内容や到達つ目標を示したことによって、大学改革における1つの転機につながると期待される。文部科学省では、学生の卒業認定が厳格になるとともに、各大学の教育内容や実績を確認・評価しやすくなり、大学の質問動向が図れるとしている。
その一方で、OECD(経済協力開発機構)が実施する大学の教育成果を世界共通基準で評価する方法の研究調査に日本も協力することから、事前に国内基準を整備しておきたいとする文部科学省の思惑に反発する声も上がっている。
本来、大学で行われる教育は高等学校までとは異なり、個々の大学が研究成果に基づき、学術活動の一環として行われるべきもので、大学の教育には多様な個性があってしかるべきである。
文部科学省の指導の方向で動いていただけに、今回の審議依頼に疑問を投げ掛ける大学も少なくない。