少子化の時代だからこそ、大学は競争力を高めるべく、さまざまな改革を積極的に行ってきました。その結果、学生にとって、より学びやすい環境が整いつつあります。
一方、大学の学部・学科は、学生一人ひとりのニーズに柔軟に対応するため、専門分化の傾向にあります。開講 科目の履習については、学部・学科の壁を越えて科目を選択できる自由度の高い方式に変化してきました。ほかにも産官学の連携や大学発のベンチャー、地域交流など、学外と共同で行われる教育・研究を、学内の活性化へとつなげるケースも増えています。
大学は進化を続け、そのスピードはますます加速しているのです。このような状況下、学びの分野が細分化されたこともあって、目的意識の高い高校生はスムーズに大学選びへ意識を向けていきます。一方、「みんなが行くから」「就職に有利だから」と、漠然と大学に進学するケースも少なくありません。その結果、入学後に高校との大きな違いに戸惑うことになります。「どの授業を選択すればいいのかわからない」と困り果て、ここでも「とりあえず」決めてしまう。それでは 大学に入った意味がありません。
高校では、学年やクラスという集団の単位で基礎学力をつけることに主眼が置かれていたのに対し、大学では「学生一人ひとりが自分で考えながら、学びを自分でデザインする」ことが求められます。常に自分がどうしたいのかが問われ、具体的な目標が少しずつでも設定できないことには、たとえ面倒見のいい大学でもフォローできないでしょう。
「なんのために学ぶのか?」「誰のための進学か?」大学選びはやはりこのシンプルな問いかけからスタートしていただきたいと思います。大学に進学したことでお子様がより良い生き方を考えられるように。「なぜ大学に進学するのか」とご家族で話し合うことは、お子様にとってベストな大学と出会うヒントを与えてくれるはずです。
「大学全入時代」という言葉を耳にしたことがある方も多いと思います。たしかに「進学先を選ばない」のであれば誰もが大学に入学できる状況になっています。さらには大学・短期大学への進学率が50%を超えたことで「大学 教育の大衆化」とも言うべき現象が起きています。その結果「どこの大学を出たか」ではなく、「大学で何を学んだ のか」が重視されるようになりました。
お子様のためを考えて、リスク回避を第一に指定校推薦を薦めたり、「難関・名門の大学へ入ったほうが良い」と助言をすることもあるでしょう。しかし、「大学に入ること」が目的となると、何のために大学に行くのかという本来の目標を見失いかねません。
大学は学びたいことを自由に学べる場所ですが、学びに対する責任は学生にあります。「大学進学とは、個人の能力を高め、社会に出るにふさわしい力を養うサービスを購入すること」。そのような感覚を持ち、豊富な人生経験を持つ先輩として、お子様たちのよきアドバイザーになってください。